怒涛の11月(その2):ラッキー! 皆既月食と同時に天王星掩蔽(衛星も)
11月8日、皆既月食中に天王星掩蔽がありました。こんな珍しい現象に遭遇し、しかも好天。超ラッキーでした。自宅で防振双眼鏡等での眼視と望遠鏡直焦点撮影・電視を堪能しました。
撮影にはいつものMAK127, ASI533MCP, AZ-GTiなどを使用し、終始、天王星から数度離れた恒星を使ってオートガイドしています。
衛星あぶり出し。天王星の月への潜入です。
— M87JET (@m87_jet) November 9, 2022
MAK127, AZ-GTI, ASIAIR, ASI533MCP
露出1コマ5秒、25倍速。
輝度上げてやっと見えます。天王星が大きく膨らんでしまいました。
後半は同じのを輝度等下げたものです。
元が露出過剰です。色の調節方法も分かりません。
PIPP等で処理 pic.twitter.com/wElZfrGlbD
当夜は大部分AutoRun放置で、延べ1100コマくらいfitsで記録しました。そのほとんどを使った動画です。不連続は、メモリー書き込みか何かで大きく乱れた画像や露出試験で真っ白になったものを除去した部分、構図変更や月全体撮影のために少しだけAutoRunを中段した部分、があるためです。
PIPPとSerPlayerを併用すると、動画の色もガンマも輝度もある調節できることに気づきました。フリーソフトでも楽しめる良い時代です。
(3)天王星とその衛星が、月縁に近づくところの静止画です。
衛星は、ガンマを目一杯高くしてあぶり出しています。月はすっかり飽和します。
同時刻のSkySafari画面です。
(4)月、天王星とその衛星全体像です。
ゲイン360(最大)、露光5秒、BIN2、の1枚データから炙り出しました。
PIPP, YIMG, nikon CAPTURE NX2を使用
露光やゲインの値は、小生機材で3者すべてがなんとか写って、かつ、月面があまり流れない限界の値です。
今回は、天王星の潜入する月縁付近が暗い好条件だったので、14等クラスの4衛星も月から離れたところでは同時に写りました。16等のミランダは、何としても写りません。
(5)天王星潜入中の皆既月食全体です。MAK127直焦点1秒露光4枚をモザイク合成
(6)ポチッと出ました。
(7)ASIAIRスクリーンコピーです。撮影はすべてASIAIRです。
(8)使用機材です。
ステラーテック・サイエンスさんのShaftCube(バランスウェイト・シャフト用アダプタ)使用。本番では、更に、ポータブル電源から冷却CMOSカメラに電源供給。
(9)防振双眼鏡が一番感動した
最も感動したのは、防振双眼鏡(口径36mm12倍)で見た光景です。電視よりも高倍率望遠鏡眼視よりも印象的でした。
恒星が散在する中、青い天王星が徐々に赤っぽい月に近づいていきました。宇宙空間感覚でした。
妻もあんぐり見ていました。
掩蔽から出たときは、もはや月が明るすぎて、双眼鏡では認識できませんでした。
稀有な心に残る経験でした。感謝。
(了)
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