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ASIAIR pro

2023年1月17日 (火)

ZTF彗星(C/2022 E3)とか、一晩でいろいろ:ノイズとかボケとか激しいですけど。

2023年1月11日から12日未明にかけて、拙い技量と限りある機材ですが、ZTF彗星(C/2022 E3)やいろいろな天体を次々と撮影しました。

機材はいつものAZ-GTiなど。窓の外なのでガラスで電波が弱くなるし、寒ーい。ベランダでは体調が持ちません。

なので、ASIAIRに長いLANケーブル経由でルータを繋ぎ、ルータは室内に引っ張り込んでいます。タミヤの模型ギアボックスでのピント調整も室内から。これで温かい。プレートソルブで次々自動導入できるからこその撮影です。

久し振りに、ダーク、フラット、バイアスをリアルタイムで適用しながらASIAIRでライブスタックしました。

フィルタはZWOのUV/IR Cut フィルターです。ASI533MCPカメラのゲインは最高の360、温度は -20℃です。

鏡筒のFが11(実測。本記事末尾11.を参照)と暗く光量不足が激しいです。なのでノイズの砂嵐です。

気流の乱れ、架台・ガイドの揺れ、鏡筒姿勢変化に伴うピントずれもあり、星像もボケていますが、いろいろトライ出来て楽しかったです。

(他にもいくつかの対象を撮りましたが、更にひどい画像なので省略。)

 

1.オリオン座、燃える木星雲とまばゆいアルタニク

30s×30, BIN2 ライブスタック

 Stacked30_ic434_300s_bin2_20230111230410

 

2.明るい! オリオン座の大星雲(M42, M43)

30s×13, BIN2 ライブスタック

 Stacked13_m42_300s_bin2_20230111222736_c  

 

3.プレアデス星団の、アルキオーネ(左上)・メローペ(右下)付近

メローペ付近の反射星雲が写り始めました。

30s×30, BIN2 ライブスタック

Stacked30_m45_300s_bin2_20230111211213_c

 

4.バラ星雲の中心部。小生機材では淡いなー

120s×20, BIN2 ライブスタック

Stacked20_ngc2244satellitecluster_1200s_

 

5.M1かに星雲

これも淡いです。恒星がボケてますね。

120s×15, BIN2 ライブスタック

 Stacked15_m1_1200s_bin2_20230111215510_c

 

6.午前4時すぎ。屋根からZTF彗星が現れてきました。

ZTF彗星(C/2022 E3) と人工衛星のフラッシュ

30s×8, BIN2 ライブスタック

Satellite_stacked8_c2022-e3_300s_bin2_20

 

7.この1枚にはかろうじて右上に伸びるイオンテールを感じます。

30s×8, BIN2 ライブスタック

 Light_c2022-e3_300s_bin2_20230112044558_  

 

8.知恵が無いのですが、無謀にもイオンテールを炙り出すよう努力しました。

頭部がすごく大きいです。

30s×8, BIN2 ライブスタック 16セットを元に処理。

PIPPで核を固定した切り出しを16枚自動生成し、これをYIMGで一気に加算平均。その後、nikon CNX2でトーンカーブ等を処理。

便利なスタック関係アプリの存在を教えていただいたので、今年は勉強していきたいと思います。

16av_cnx  

 

9.動画にもしてみました。約1600倍速。約80分間分の移動です。Youtubeで画質が更に落ちてます。

 

 

10.当夜は月が明るかったです。

気流もゆらゆら。直焦点、これだけ gain100, 50ms, BIN1, 1枚撮りです。

Preview_moon_500ms_bin1_20230112022918_c

 

11.当夜の機材とASIAIR操作画面スクリーンコピーです。

CMOSカメラ(ASI533MCP)は、メーカーのページから得たC5等のシュミカセバックフォーカス設計?長さの5インチ(125mm)にしました。

結果的に、F10より伸びてF11くらい(ASIAIRのプレートソルブ画面では、1368mm, 画角0.47°×0.47°と表示されました。)になり、ちょっとFL伸びますね。

多少伸び縮みさせても、小生写真画質程度では差が分かりません。

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(了)

2022年11月30日 (水)

怒涛の11月(その3:終わり)八ヶ岳星と自然のフェスタinこうみ2022

小海町星フェスについては、多くの方が既にブログ等で書かれています。遅ればせながら小生も少し。

 

(0)巻頭に

  • 企画・運営・参加されたすべての皆さま、ありがとうございました。楽しかったです。参加できてよかったです。
  • 今年は大型機材が中央に集まっていて、巡りやすかったです。
  • いろんな方の小型機材に実際に触れられて面白かったです。
  • フリマが一列に配置されていて便利でした。
  • ボランティアの方々が一生懸命活躍されていました。
  • ワクワクする小型望遠鏡など子供にすてきな景品がいっぱいでした。また、外れてもお子様など希望者にはお菓子が配布されました。太っ腹シャトレーゼさん!
  • ホテルのフロントはじめ職員の方々ありがとうございました。お疲れ様でした。食事美味しかったです。
  • 様々なご関係者様、おかげさまで昨年よりも運営が滑らかだったと思います。不平トラブルも特に聞きませんでした。
  • ご家族(ワンちゃん含む)で遠路泊りがけで参加されている天文マニアの方々も散見されました。良き良き。
  • キャンプエリアが面白そうでした。若い&心若い多様な方々。
  • ツイッターなどネットで活動していらっしゃる方と沢山お会いできました。名札あると分かります。分からずにすれ違っている方は、なおさら多かったに違いないです。こういうコミュニティの輪が広がってきたのには、天文リフレクションズさんの功績が大きいのではないでしょうか。
  • 講演会では、電視観望を実際に取り組み始めたと思われる方々との真摯な質疑とか、超都心でも天の川を写せる驚きワクワクを、いろんな方々に楽しく伝え広げるとか、いろんなチャンネルでの星世界アウトリーチ拡充を実感した気がしました。
  • なによりもテレスコ工作工房の斎藤さん、要石としてあらゆる場面でほんとうにお疲れ様でした。しばしご休憩くださいますように。

 

********************************************************

(1)11月10日午前、小生は、軽自動車に頻尿非常用の尿瓶(しびん)を積み、茨城県から高速をへろへろと、ぐんまー国へ向かうのであった。人間やれるときにやれることをやっておこう。段々難しくなります。

お昼ご飯は本店で峠の釜めし。るんるん。シルエイティありました。

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(2)10日夕刻到着。良い天気。私は開催日を1日間違っていたかもしれない。

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Oさんの、素晴らしい機構。ウォームが2か所で接触し、ガタを防ぐ。自作2インチ双眼装置、自作アポダイジング・マスクも見せていただきました。

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(3)11日、斎藤さんのもと、天文ボランティア多数協力で短時間でテントが設営されました。
天文マニアは意外と体育会系なのかもしれませんね。

utoさん(とヤング2世さん)、ぼすけさん、さとしさん、RYOさん、XRAYさんはじめ、HN存じ上げている方多数いらっしゃいます。ヒロノさんは足を痛めていらっしゃいましたが、率先してご活躍。ツイッターでは、遠隔地から渋滞にもめげずマニアックな方々が集まりつつあることがうかがえました。

ああ腰が痛い。テント脚押さえアルミウェイトは相当大きな赤道儀に使えそうだと思いました。

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(4)11日夜、古スコ懇親会

ああつ! 口径66cmのヒロノさんだっ、Samさんだっ!、カラフルMAXY双眼とNEWTONY三味線があるっ、5cmブラックすばるだっ!、某会の工場長様だっ!(昼間に駐車場でゴールド輝くデラックスゴージャスなハーモニックドライブ架台とやはりハーモニック化タカハシD型架台をつんつんしたところ、小生機材と別世界のあまりの高剛性に驚愕しました。)、utoさん2.5cm電池時計駆動ヘール鏡っ、5cm漆調工芸品があるっ、渋いRYOさんのタカハシP2があるっ、M-neoさんの巨大なガッチリ自作金具ATLUXがあるっ、美しいMARK-Xとカーボン鏡筒によだれが垂れますっ、ずあいすうっ!、ダウエルの会社銘板がっ! PCでプレゼン、ちから入ってるう! ・・・・・

全日程通じてHN存じ上げていてもリアルにお会いするのは初めての方が多い。人見知りもあってお話しあまりできず。

お名前お聞きしても小生の脳内RAMは100バイトしかないので、すぐあふれてしまいました。ごめんなさい。

ちょっと疲れたので途中で退出。小生の展示機材はこれです。

MARK-X手動ガイド減速ギア流用FC65, 強化改造AZ-GTi, レンズレス・シュミット化NEWTONY, TANZUTSU嬢

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(5)11日夜:快晴:気流良し

大型機や特殊な機材がいっぱい。こんなに土星のカッシーニの隙間が良く見えた晩、木星の縞のうずうずが良く見えた晩はありませんでした。

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(6)12日、快晴

じろーさんの太陽望遠鏡。素晴らしい。最高の太陽面でした。(スマホでは写らない)。良い太陽用機材でしっかりした方が運用指導すれば、太陽はこんなにも安全かつ感動的なものなのか。

Samさん、RYOさんの講演会も聴けました。サジモトさん御夫妻アクティブかっこいいなー。TYoshidaさん紳士~(*´▽`*)

ダウエル帽子も買えました。お目当てのヘリコイドも買えました。

マリーチさん御一行にもお会いできました。シャインマスカット味サイダーありがとうございました。

ツイッターなどでHN知っていた方々の機材も見られましたし、いろんなお話も聞けました。Aramisさんご一家、けにやさん昨年に続きお会いできました。

体力払底、人多すぎてわけわかめ、初めてガスコンロ・コーヒー道具・お菓子持っていきましたが、巡回ばかりして戻る暇ありませんでした。

夜は、気流が前夜より悪くなりましたが、そこそこに見える瞬間もありました。Lambdaさんのミザール1/20λワインカラー鏡筒とスペシャルアイピースを堪能させていただきました。

月がすぐ昇りましたが、縁にはクレーターも見えましたし、一般のご家庭のお客様が主体であり新月期よりも好適と思いました。(ここは逸般の誤家庭の人だけではありませんー)

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(7)13日

いろいろ楽しめました。ありがとうございました。

来年がどうなるのか分かりませんが、きっと、良い方向に進化・展開すると思っています。

後片付け申し訳ありませんがしませんでした。午前中に一足早く出発しました。(この後、グーグルマップさんの言うがままに、渋滞は回避するが自宅に一向に近づかない高速道網を徘徊しましたが、当初表示4時間を休憩ゆっくり約8時間かけてやっと帰宅)

Fhaiaixayaer_fb

 

 

(了)

 

 

怒涛の11月(その2):ラッキー! 皆既月食と同時に天王星掩蔽(衛星も)

11月8日、皆既月食中に天王星掩蔽がありました。こんな珍しい現象に遭遇し、しかも好天。超ラッキーでした。自宅で防振双眼鏡等での眼視と望遠鏡直焦点撮影・電視を堪能しました。

撮影にはいつものMAK127, ASI533MCP, AZ-GTiなどを使用し、終始、天王星から数度離れた恒星を使ってオートガイドしています。

 

(1)Twitter動画です

 

 

(2)YouTube動画です(字幕あります)

当夜は大部分AutoRun放置で、延べ1100コマくらいfitsで記録しました。そのほとんどを使った動画です。不連続は、メモリー書き込みか何かで大きく乱れた画像や露出試験で真っ白になったものを除去した部分、構図変更や月全体撮影のために少しだけAutoRunを中段した部分、があるためです。

PIPPとSerPlayerを併用すると、動画の色もガンマも輝度もある調節できることに気づきました。フリーソフトでも楽しめる良い時代です。

 

 

(3)天王星とその衛星が、月縁に近づくところの静止画です。

衛星は、ガンマを目一杯高くしてあぶり出しています。月はすっかり飽和します。

 

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同時刻のSkySafari画面です。

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(4)月、天王星とその衛星全体像です。

ゲイン360(最大)、露光5秒、BIN2、の1枚データから炙り出しました。

PIPP, YIMG, nikon CAPTURE NX2を使用

露光やゲインの値は、小生機材で3者すべてがなんとか写って、かつ、月面があまり流れない限界の値です。

今回は、天王星の潜入する月縁付近が暗い好条件だったので、14等クラスの4衛星も月から離れたところでは同時に写りました。16等のミランダは、何としても写りません。

Light_uranus_50s_bin2_20221108195957_009

 

(5)天王星潜入中の皆既月食全体です。MAK127直焦点1秒露光4枚をモザイク合成

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(6)ポチッと出ました。

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(7)ASIAIRスクリーンコピーです。撮影はすべてASIAIRです。

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(8)使用機材です。

ステラーテック・サイエンスさんのShaftCube(バランスウェイト・シャフト用アダプタ)使用。本番では、更に、ポータブル電源から冷却CMOSカメラに電源供給。

Img_8160_2

 

(9)防振双眼鏡が一番感動した

最も感動したのは、防振双眼鏡(口径36mm12倍)で見た光景です。電視よりも高倍率望遠鏡眼視よりも印象的でした。

恒星が散在する中、青い天王星が徐々に赤っぽい月に近づいていきました。宇宙空間感覚でした。

妻もあんぐり見ていました。

掩蔽から出たときは、もはや月が明るすぎて、双眼鏡では認識できませんでした。

稀有な心に残る経験でした。感謝。

(了)

 

怒涛の11月(その1):安価でも天文写真コンテスト初入選

 

久し振りのブログ、2022年11月のまとめです。小生にとって、一発花火・怒涛の一ヵ月でした。

 

1.人生初の天文写真入選だあ! (*´▽`*)

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好奇心:レンズレス・シュミット・ニュートンで

(QBPフィルタの特性を考慮しつつ、赤くならないように仕上げました。)

サイトロンジャパン賞をいただきました。

選者の方々、天文ガイド様、ありがとうございました。
好奇心に駆動され、改造NEWTONY君で撮りました。3分×25コマ ライブスタックです。
ネットの皆様に教えていただいた、レンズレス・シュミット光学系(シベット様)、プリングルズのポテチ筒(マリーチ様)、AZ-GTi超剛金化(Lambda様)等々、皆さまからの知恵の賜物です。
世界はボッチであってボッチではないと思います。
ご関係されたすべての皆様にひたすら感謝です。

鏡筒のレンズレスシュミット化改造については、こちらです。

プリングルズ紙筒使用については、こちらです。

AZ-GTi超剛金化については、こちらです。

 

天文は結構機材に費用がかかります。コストに見合った素晴らしい結果も安定して得られます。

しかし、他方、NEWTONYは、接眼レンズやスマホアダプターもついて、現在約7000円です。すごいことです。

こころおきなく実験的なこと、破壊的工作ができます。応用も効きます。球面鏡の限界と特性を突いて、レンズレスシュミット化もできました。

小生は所有はしていませんが、兄貴分の高性能MAKSY60も14000円くらいです。星フェスで覗かせてもらいましたが、とても良いです。(双眼化改造すばらしい。)

同じ星フェスでは、珍しい国産レンズの、スコープテックさんのラプトルなども覗きましたが、これまた大変にクリア、シャープで大変に良心的な作品でした。

時代が古ーいですけど、小生幼少時には、学研の科学の付録の、シングルレンズF20くらいの画用紙丸めて作った望遠鏡で感激していました。(実に、就職するまで、図書館などで天文・物理・科学本を濫読したり、知人の機材は覗かせてもらったことがありますが、所有メイン機材はそれだったのです。)

もしも、小さいときにこういった安価・良心的・発展性のある機材に巡り会っていたなら、自分の生き方はどーなっていたのだろーなどと妄想することも、齢70歳台に近づく今でさえ、まま有るのです。

小海町星フェス2022では、景品に多数のNEWTONYの提供もあったようです。

「花咲じじい、枯れ木に花を咲かせましょう」

種子はやがて豊かな緑の大地をもたらすと思うのでありました。

 

(なお、ポータブル電源含む下の全機材構成では40万円程度ですが、鏡筒コストはその2%に満たないです。)

 

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2.シリウスBチャレンジ

星ナビ12月号に、シリウスBチャレンジの特集(後編)がありました。(この号は、ISS狂拡大見開きページをかなり占有+カレンダー裏表紙「雨の海・ISS」という、某人工天体三人衆の方々御揃いのすごい号でもあります。)
シリウスBチャレンジ記事の中に、MAK127で撮影、ウェーブレット処理ギンギンの、心眼でならシリウスBが感じられる?1枚も使っていただけました。(ネット等で御活躍の数多の巨匠の写真の影にひっそりと)

Img_smallcrop

 

 

11月は、皆既月食と天王星掩蔽、小海町星フェスもありました。その2とその3に分けて書きます。

全て人生の良い記憶です。

 

(了)

2022年7月14日 (木)

(続)はたらくNEWTONYくん:天体写真まとめ

0.拙い写真ですが、ご容赦を。

一等星程度しか見えない空と自己改造機材、未熟な技量の結果です。ご笑覧ください。

全てレンズレス・シュミット化NEWTONY君、ASI533MCP(0℃、ゲイン360)、サイトロンQBPフィルター、ASIAIR, 改造AZ-GTi(EQ modeオートガイド)での撮影です。

まだ小生ブログに載せていない写真だけ(ただし、ツイッターに既に載せた写真とは3割くらい重複あり)です。

なお、自分的には気に入っている網状星雲・北アメリカ星雲の写真は、少し前の下記ブログ記事の末尾に有ります。

「再び長文注意:非推奨暴挙改造:レンズレス・シュミット化NEWTONY君でASI533MCPを使う」

 

使用アプリ:ASI Studio, YIMG, nikon CaptureNX2, MSペイント(ファイル形式変換、文字入れ、スクリーンコピー貼り付け)、ASIAIRアプリ、PIPP, RegiStax6

フード長さ約200mm,絞り口径41mm, FL200mm(球面鏡)

写野3.26度×3.26度(ASIAIRプレートソルブによる自動導入時の表示)。

色収差なし、若干の球面収差残るが星像が比較的小さく固い、スパイダーの強い光条、フィルタ等の反射と思われる模様、光量不均一、光軸ずれ、球面収差、像面湾曲、周辺部画像崩れ、斜鏡位置ずれ、光軸等調整難しい、等々の個性有り。

 

1.M16(Eagle星雲)、創造の柱

20220701

ライブスタック、180s*42

中央部トリミング。

口径41mmでもなんとか形が分かって嬉しい。

Eagle_trm

 

写野全体

Eagle_42_yimgflat_cnx_b

 

2.月

20220708

強トリミング。動画からPIPP,RegiStax6で2倍リサンプリング後に軽くウェーブレット

20220708191010moonbin1-0_p

 

3.土星

20220709

超強トリミング。 左:動画からPIPP直焦点画像、  右:動画からPIPP, RegiStax6で2倍drizzle後に軽くウェーブレット処理。drizzleとリサンプリングで違いが感じられませんでした。

モアレ出てるようです。

Saturn_drizzle

 

4.バブル星雲(NGC7635)等

20220701

ライブスタック 180s*41

バブル部分トリミング。シャボン玉を狙ったのはこれが初めてでした。写って嬉しかったです。

Bubble_trm

 

左から散開星団M52、バブル星雲(NGC7635)、赤いSH2-158

Bubble_180s_41_cnx

 

5.土星星雲(NGC7009)

20220709

ライブスタック30s*5

青くてとっても小さいです。

Stack5_light_ngc7009_300s_bin1_fig

 

6.らせん星雲(NGC7093)

20220702

ライブスタックと一枚撮り合計14枚×180秒

トリミング、激しく強調。むちゃくちゃ明るい低空の空。

Rasenall_yimg_cnx

 

フラットなし全体(180秒1枚撮り2枚加算平均)

この鏡筒は、フラット補正が難しく、小生には無理な水準。ちゃんとしたツールが必要ですね。

Noflat_stack2_light_ngc7293_1800s_bin1

 

7.こと座リング星雲付近

20220624

ライブスタック, 30s*20

ちっちゃい。

20220604stack20_light_m57_300s_bin1_2_cn

 

8.M7 (Ptolemy's Cluster)

20220708

ライブスタック 60s*20

惑星状星雲がいくつかあるようですが、Cn 2-1のみ薄い緑色でこれだと思います。

Cn_21

 

全体

20220708_stack20_light_m7_60s_bin1

 

9.M13

20220630

ライブスタック、180s*5

Stack5_light_hercules-globular-cluster_1

 

10.M17

20220604

ライブスタック、30s*47

Stack47_light_m17_300s_bin1_cnx

 

11.M8, M20

20220604

ライブスタック、30s*60

20220604stack60_light_m8_30_bin1

 

12.M27

20220617

ライブスタック、180s*30

20220617stack30_light_m27_1800s_bin1_cnx

 

13.M11

20220702

ライブスタック180s*2

Stack2_light_m11_1800s_bin1_yimg

 

14.混濁の大気の彼方

Cat's Paw Nebula(左上), Bug Nebula(中央右下の小さな惑星状星雲)

20220709

ライブスタック、60s*72

低空

20220709_stack72_light_ngc6302_600s_bin1

 

15.ある薄明の風景

20220701

天文薄明中のさそり座アンタレス付近です。
印象派的になりました。

人工衛星が入りました。薄明時には多数明るく飛越します。

202207012028_stack1_light_m4_1200s_bin1s

(了)

 

 

 

 

 

2022年7月 7日 (木)

はたらくNEWTONYくん:C/2017 K2 パンスターズ彗星

レンズレス・シュミット化NEWTONYくんが、C/2017 K2 (PANSTARRS)彗星にトライしました。

彗星核付近トリミング、左上から右下方向への約80分間の移動です。

ライブスタック180s*4を2回(露光終了時刻 21:19および22:40)

ASI533MCP, 0℃, サイトロンQBPフィルター, ASIAIR, ゲイン360, AZ-GTi赤道儀モード

鏡筒フード絞り口径41mm, FL=200mm

ASI FITS VIEW, YIMG, nikon Capture NX2, MS paint

Movetrim_fig

 

写野全景です。約3.2×3.2度。フラットを懸命に修正しましたが、合いません。

20220630_2119_12min_2240_12min_cnx

 

ASI FITS VIEWで、画面中心部の解像の程度を見てみました。

(180秒露光1枚を超拡大)

まず、debayer前。マーカーしてあるのが彗星です。

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debayer後です。

Comet_1000pct_debeyer

 

画面中心部は、概ね3×3ピクセルに収まっているようです。結構鋭いと思います。

焦点距離200~500mm程度ならば、素晴らしい屈折鏡筒が世には多く存在します。

しかし、色収差の無い像は、新鮮に感じます。

ただし、光軸合わせ、フラット、周辺像には問題があります。輝星がある場合にはスパイダーの光条も目立ちます。

 

(了)

 

 

2021年8月26日 (木)

なんとなく狂解像:その1

0.今日も妄想

天文ファン界は、感染症であふれている。

ポチリヌス菌症だけではない。

口径病、反射病、屈折病、架台剛性追及病、接眼病、双眼病、狂拡大病、自動導入病、ノイズ病、眼視病、電視病、ベランダ隔離されます病、その他ありとあらゆる常人とはかけ離れた症状を呈する。複数の病に感染しても、免疫を獲得するどころか、更に体力・財力・家庭平安を損ないヘロヘロになる特徴がある。

小生はここ数日、狂解像病である。これは、ISS追尾者に多く見られるところの狂拡大病に通じる悪性のものだ。

発症要因は、Netの海に飛沫の如く漂う各国マニアによるガリレオ衛星のすごい写真である。模様が見えてるじゃん!

小生の主鏡筒は、5インチシュミカセのセレストロンC5。

いまいち見えが良くない。光軸修正をやりすぎで、ねじ(ネジではない。JIS用語ではひらがならしい。)の頭を崩してしまうほどだったが、光量はともかく、〇カハシの何十年か前の6.5cmフローライト屈折と同じくらいの解像感に留まっているようだ。(ねじ破損ににつきましては、twitterの威力で、宙歌さんの情報で、安価に交換出来ました。ありがとうございました。)

しかし、ボケ、低コントラストに対しても、手はある。

かつてハッブル望遠鏡が、計測のミスで設計通りの鏡面に作られず、がっかりの星像であった。補正光学系を宇宙に運んで修繕するまでは、地上で、取り敢えずソフトウェア的に緩和する手段が採られた。

すなわち,Drizzle(小生よく理解できてません。)がこれには含まれていたらしい。

Wiki: Drizzle(image processing)

 

1.中途半端にDrizzleして撃沈

素材は、8月23日夜に撮影した、ガニメデとエウロパの接近動画です。

本当は、撮影された何百というコマそれぞれを再サンプリングして細かい画像を作ってそれを位置合わせスタックするのが筋と思います。

また、小生機材では、アンダーサンプリング画像でもない画質と感じます。(たとえ、オーバーサンプリングであっても、更なるオーバーサンプリング後に位置合わせスタックすれば、光源位置推定の精度は上がり、解像効果あると思います。)

しかし、めんどーなのです。小生には、うまく繰り返し操作させるマクロのノウハウが無い。

そこで、いつもの中途半端な原始時代的人力処理です。

①PIPPでOptimise Option を試しにISSに設定したら、動画からTIFが2百個くらい生成できたので、それをYIMGで人力で16個ずつ位置合わせスタックしたものをつくりました。素のピクセル解像で、極めて粗いです。(全部で12回、計12個の画像作りました。ほんとは、こんなまとめ方は中途半端なおかしい方法です。)

②12個それぞれを、中心部クロップのうえ、YIMGで300%の再サンプリング行い細かくし、次いで、12個の細かくした画像を位置合わせスタックしました。結果、大気差のある画像が出来ました。

③上記1画像に対し、Lambdaさんにこれまたtwitterで教えていただいた方法で、RegiStax6を用いてRGB Alignを行い、大気差を緩和しました。Wavelet処理もかけました。しかし、今次方法では、2個の衛星には分離までには至りませんでした。

④撮影時刻頃の衛星の状態は、Skysafari pro では、こんな感じでした。

 

上記①から④を1枚に並べた画像です。

5インチシュミカセのセレストロンC5。FL=1362mm(ASIAIRプレートソルビングでの表示)、直焦点ASI533MCproである。ピクセルピッチ3.76μm(0.57秒角)

Compare4_trm

 

大体同じ時刻の全体像に処理画像を張り付けました。こんなくらいの先鋭化です。

117

 

 

2.思ったこと

今回方法は期待よりも効果薄かった。

機材と大気含めての光学系だなー。

バーローレンズあると良さげ。

エアリーディスクやドーズの限界超えて解像できるのは、当然な予感。デジタル化により、ニュートン力学から量子力学への拡張のような。

人間は黄斑部中心の視細胞密度すら超えた解像力を持っていると思われるが、眼球の微細振動による走査と視神経や脳にによる処理により、ピクセル超えの解像を得ているのだろう。

 

3.次回へ続く(かもしれない):なんとなく狂解像:その2

(ガニメデとエウロパの接近画像、他のあやしい手抜きバリエーション)

 

 

 

 

 

 

2021年7月14日 (水)

お気楽に、5秒×多枚数スタックで星雲を撮る

2か月ぶりにブログ更新

諸般の事情で、手軽なツイッターの日々。たまにはブログにしましょう。

架台のAZ-GTiの精度・強度を考慮して撮影しました。

すなわち、冷却CMOSカメラとASIAIR proで5秒間露光、多枚数ライブスタックで明るい惑星状星雲などを撮ってみました。

北極星の見えない空の明るいベランダでお手軽撮影。

赤道儀モードの場合、極軸は目分量です。亜鈴状星雲やリング星雲に至っては、水平も怪しい経緯台モードです。

PIやPS,SIなども興味ありますが、未導入です。フリーソフト等でお気楽画像処理です。

しかし、結果は、ああ、相当に高精細と自己満足。

短秒多枚数スタックは、八難を隠す。

 

1.M27 亜鈴状星雲

中心星?の横のとても小さな恒星もかろうじて分離して写りました。

露光は不足ですが、赤いモクモクを感じます。梅雨のころですが、大気が安定した晩でした。

2430sec_adj_trm_cnx2

セレストロンC5直焦点、ZWO IR/UV CUT フィルター 、ASI533MCpro冷却マイナス10°C、

ライブスタック5秒×約120枚ライブスタック×4セット(トータル2430秒)

ダーク有り

AZ-GTi経緯台モード、ずれずれのノータッチガイド

2021年6月10日

 

2.M57 こと座リング星雲

(強トリミング)

心眼で、リングの微細構造が見えます(笑)

この晩は、大気が悪かったです。

M57_yimg0705

セレストロンC5直焦点、フィルター無し、ASI533MCpro冷却マイナス10℃

5秒×30枚ライブスタック×5セット(トータル750秒)

ダーク有り、ノータッチガイド

トリミング後270%Drizzle

YIMGで弱くウェーブレット処理等

2021年6月18日

 

3.M17 オメガ星雲

大気がとても安定した晩でした。

驚き。ガスの帯のような構造も見えます。

(縮緬ノイズ等ご勘弁。)

Set_omega_1_6_adj1_cnx2

セレストロンC5直焦点、フィルター 無し、ASI533MCpro冷却0°C、

ライブスタック5秒×40枚ライブスタック×6セット(トータル1200秒)

ダーク有り

AZ-GTiキメラ号赤道儀モード、ASIAIRproオートガイド

2021年7月11日

YIMG、ニコンcaptureNX2

 

1セット分撮って出しは、こんなものです。

1stack40_light_m17_50s_bin1

 

ESOの口径3.58m鏡と並べてみました。がんばれ5インチ。

なかなかの解像だと思います。

Omega_compare

 

4.AZ-GTi(赤道儀モード)とASIAIRproのファームの相性について:問題ほぼ解消

最近AZ-GTi(赤道儀モード最新ファームright_arm_0326)とASIAIRproを組み合わせると、ファームの相性が悪いのかうまく微動しませんでしたが、問題は、ほぼ解消しました。

E5v76s0vkamwo56


(変な動作)

32倍速くらい以下の低速では、赤緯微動のASIAIR画面のボタンが一方向にしか効きません。赤経方向は正常操作できます。

しかし、600倍速くらいの高速ならば、意図通りに動きます。

その後、1回だけ赤緯方向の低速微動が意図通りに操作できますが、逆方向に一度でも動かすと、もうダメになります。

無線、有線、3基の個体を問わず、同じ現象が見られました。

 

(対処)

ASIAIRproアプリ・ファームv1.6.2-8.11と、AZ-GTiモーターコントロール、ファームright_arm_0320の組み合わせならば、ほぼ大丈夫。

マルチスターガイドも一応機能します。

iPhoneのASIAIRアプリが、まれにフリーズしてカメラ接続が途切れましたが、ASIAIR自体は動いています。

なお、小生の機材(キメラ号)では、赤経・赤緯ともにガイドが時々瞬間的に跳ねる状態が見られ、原因不明です。

これは、2個の酷使されガタガタのAZ-GTiの良さそうな部品を1個の個体に仕立てたキメラ機です。

まだ調整不足ですし、ギアの擦り合わせも安定しません。その影響だと推測しています。

最近購入の通算4機目(ああ、なんでこうなるのだろう?)のAZ-GTiはまだ星空実戦投入しておらず、動作未確認です。

 

5.おまけ

7月12日AM4時ころの木星です。機材構成はオメガ星雲撮影と同一です。

(この晩は、大気がとても安定。透明度は薄雲や水蒸気で悪かったですが。)

初めて、まともに動画をレジスタックスで処理できました。(30ミリ秒×約500コマ)

小生のセレストロンC5は、どうも口径に比して解像度が幾分低い感じです。

20210712_0359_jupitor_set

(了)

 

 

2021年3月22日 (月)

ISS(国際宇宙ステーション)を望遠鏡で見る:ここ10日間ほどのまとめ

 

0.ここ10日間ほどの、Twitterへの投稿のまとめと補足です。

Iss_mc2

 

1.2021.03.14 AM04:36-04:38 : 雲上を行くISS

この晩は、ベランダで念入りに水平出しとスリースター・アラインメントを行いました。

アラインメントが良く取れたのでしょうか、格段にトラッキング精度が上がりました。

補正無しで最初から最後までアイピース視野内にとどまりました。小生の機材程度で可能になるとは、時代の進化だと思います。

眼では感じない暗い状態から、CMOSカメラには写っていました。

twitterの記事はこちらです(動画)

Youtube動画はこちら

3014

 

2.2021.03.14:  印象の御絵描き

印象の御絵描き添付します。

幾多の方々による素晴らしい写真と異なり、絵画の正確性はとても怪しいです。

視神経・脳による事象認識は不思議です。が、それが良いところでもありましょう。

小生は、当面は、生の記憶を脳裏に、心に、留めたいのです。

 

20210314iss

残念ながら雲が多く、細かい形状は確認できませんでした。

しかし、高精度の機材でうまく調整し、惑星撮影の技法を応用すれば、高解像写真撮影が期待できると感じました。

ただし、経緯台であるため、天頂付近の美味しいところは追尾できない限界があります。

 

3.パレット並走

3月13日ころ、ISSから不要になった補給艦パレットが分離されました。(やがて大気圏に突入するのでしょう)

動画の中に、雲の合間にほんの3秒間ISSと同方向へ飛翔する光点(添付写真左上端に微か)が認められました。分離されたパレットでは、と思います。
(小生twitter動画は編集で切れて残念ながら入っていません(^^;  )

小さな光点はかなり先を飛翔しており、CMOSカメラの画角に最初は入っていませんでしたが、遠ざかっていくにつれ、画角に入るようになったのだと思います。

今後、人員交代や物資補給の際、並走の追尾観望が楽しめそうです。

20210314palet

 

4.AZ-GTi経緯台モード、何だかいろいろ動かしてみる

有線制御、無線制御、iPhone画面をPC画面にミラーリング、

レグルス導入、プレートソルブ

SharpCap,Caltes de Ciel

SkySafari,SynScanpro

ApowerMirror

PreviSat, Satellite Tracker,

ASIAIRpro

Test11

 

5.2021.3.17 :ケーブル・スパゲッティ

眼視印象の絵図:ISS西から東へ

最大高度40度くらい

倍率約30倍タカハシFC65

追尾開始1分前になぜかASIAIRproとAZ-GTi電源落ち。リセット、またも大慌て。半分失敗。

LANも含め全有線化したスパゲッティが原因か?

(機材不調の後日談:12ボルト電源とASIAIRproの受電端子の接続不良だったと思われます。思いもよらぬことでした。他のケーブルに交換したところ、改善しました。

熟成していない高機能化、複雑化は、信頼性が低下するものだと改めて感じ入りました。)

20219317_iss 20210317_img_3341-1

 

6.2021.03.18 空飛ぶマンボウ

機材が重く、まだ早い時刻であり、2度に分けて運搬するのですが、その間にいたずらされたりしないように、偉大なる奥様にリチウムイオン電池を運んでいただきました。

更に、小生は老化のため、このごろ特にトイレがこらえきれず、SOS電話し、自転車で機材見張り出張応援をこれまた奥様にお願いいたしました。

更には、機材撤収でも協力してもらいました。ありがとう。

いつものことですが、もはや、今まで以上に頭が上がりません。

 

今晩のISS

雲多し。ごく短時間かろうじて視認。昨日の方がずっと良く見えました。

ASIAIRpro、ルータ絶不調につき、シンプル構成で眼視only。

シリウスでワンスターアライメント。追尾スタート誤差1度。

SatelliteTracker, SynScan

ノートPC

Iss20210318 Img_3370_iss

 

7.2021.03.19: 初めて色彩を感じる

今晩のISS御絵描き

西側にいるときに、太陽電池パドルが暗い褐色なのに初めて気づきました。感激。

やがて全面まばゆい黄白色に変貌。

シンプル確実のため、昨日と同じくPCからのUSBケーブル1本だけ。

 

20210319_iss Img_3372_trm

 

掩蔽について

この晩は、ISSが日本を縦断し、月を掩蔽する日でした。コースはかなり北なので、今回はパス。

素晴らしい熱意と蓄積と技量と機材の方々が、ど迫力の掩蔽映像をネットに掲載されております。

小生のような青二才とは異次元の素晴らしさです。

PreviSatのフランスサイトからダウンロードした正式版を用いることにより、太陽・月掩蔽の予報も、PC上はできました。しかしながら、精度は未確認です。(衛星トラッキング用のバージョンではエラーになりました。)

そのうちチャンスもめぐってくるでしょう。

 

(掩蔽予報テスト計算の例)

Test_transits_20210319_20210531

 

(了)

 

 

 

2021年1月20日 (水)

なんだかわからないことやってみる:不等辺四辺形の星々はどこまで認識できるか?

1.これ、なーんだ?

Trim

答え:オリオン座M42の不等辺四辺形、トラペジウムです。大気差で色がついてるようです。

極力飽和しないように撮影しました。

セレストロンC5、ASI533MCpro、ASIAIRpro、SIGHTRONさんのQBPフィルタ。AZ-GTi赤道儀モード。

5秒露光を100枚をLIVEスタック。ASIAIRproでカメラゲインはLOWにしました。

スタック数が100枚と多いのは、ウェーブレット処理を考えてのことです。滑らかな画像が経験的に良いようです。

この機材の組み合わせで、プレートソルビング連動の自動導入がなんとか機能しました。限界に近く、GOTO1回目は考え込んでも、2度3度連続GOTOさせているうちに、ほぼど真ん中導入できました。とても便利です。ASIAIRproのプレートソルビング画面には、焦点距離1190mm、画角0.54度×0.54度と表示されました。こんな機能も隠れているんですね。

小生としては究極の精度を目指しました。オートガイドですが、AZ-GTi赤道儀モードはときどき暴れるので、その気配があるとそのコマはスタックしないように、ずっとグラフの気配を全力注視しながら撮影しました。素晴らしく労多くて、なんだかなあ。

機材は窓の外のベランダにあります。幸い、無線で操作できますが、窓ガラス越しだとASIAIRproの電波が弱く、窓に貼りつくようにして作業です。ガラスを通してすら、冷気がとても寒かったです。

 

2.明るさを調節する

TIFデータをYIMGに入れると、一見真っ暗な画像ですが、トーンカーブを操作重ねると、画が出ます。こんな感じ。

トラペジウムがまぶしく丸く太ってます。露光時間、気流、架台精度、シュミカセの精度の問題もありますよね。

祭りの提灯のように光ります。音もなく、神秘的美しさを感じます。複数露光時間によるHDR撮影とかやってません。

Stack100_light_m42_5s_bin1_11

Stack100_light_m42_5s_bin1_11trm

中心部を切り出し、3倍にオーバーサンプリングしたのち、輝度をやや暗く調整しました。後の強調作業で輝度がすぐに飽和しないように少しだけ抵抗するためです。

スタック後の画像を再サンプリングするのはおかしい方法です。本来は、個々の画像を再サンプリング後にバッチ組んで加算するとかしないと意味がほとんどないのですが、そこまで律儀にするのはめんどーなので、手抜きしました。

こんな感じ。E星、F星が少しだけダルマ状に出っ張って、存在の気配が感じられます。

300pct_3k3k_5sec_kido

 

3.炙り出す

YIMGを用いて、ボケ補正、ウェーブレット処理、ノイズ除去、トーンカーブ調整を繰り返し、こんな画像になりました。

300pct_3k3k_5sec_trapezium_full

 

4.多重星認識できるか?

拡大します。 ネット上のスカイアンドテレスコープ社の図に合わせて、方向を逆転しておきます。

小さい星がいくつか見えます。神秘です。ここは星が次々誕生している領域だと聞きます。酵母菌の出芽風景ではありません。

ネットの図をもとに同定すると、こんな感じ。

I星は、C星に隠れてしまってるようで、見えません。H1,H2星は、分離はしませんが、見えてるようです。

画像が美しいかどうかは別として、5インチシュミカセでも、かなり暗い星まで「認識」はできたようです。

Trapezium1

 

4.おまけ

FC65で撮影したトラペジウム付近の動画です。

QBPフィルタ使用、ひとこま当たり300ミリ秒くらいの露光だったと思います。

(了)

 

 

 

 

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