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CMOSカメラ

2023年12月25日 (月)

2023年、天文ちょっと振り返る

2023年を振り返ります。

0.今年もありがとう、機材さん達。

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以前2022年サイトロンジャパン写真コンテストの賞を使って購入したMAXY60。高解像。

架台は、ベランダ用改造AZ-EQ AVANT

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TANZUTSU嬢。個性強し。

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レンズレスシュミット化NEWTONY君。改造で、球面収差、コマ収差感じません。

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テレスコ工作工房、青い微動雲台。DSP2023で入手。現在は、これをちょっと改造してガタを減少させています。

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1.(単なるご参考)架台導入と非推奨自己責任改造(SkyWatcher Star Adventurer GTi)

分解改造すると不保証です。ユーザーによる分解組み立て想定していない構造だと感じます。

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極軸を伸ばしました。左から、木製試作、迷人会工房様試作版、迷人会工房様製作「深々お辞儀君」

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極軸望遠鏡除去、コード延長、テレスコ工作工房様のユニバーサルベースに交換、等々

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子午線通過後20度くらいまでだった可動域を拡大しました。南向きベランダで、メリディアン・フリッピングをあまり気にせず運用できます。

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https://twitter.com/m87_jet/status/1629633026945851393

 

安価でシンプル、いろいろ使えるSA-GTiを1月に販売開始即ポチリました。例によって直ちに自己責任改造しました。ライブスタックがほとんどです。ライトな自分にとって使いやすく良い機材です。極軸調整がとても軽く快感。有線もWiFiもbluetoothも使えます。唯一、ディザーするにはちょっとバックラッシュ大きいと感じます。

AZ-GTiと較べて(較べるなっ。)赤道儀としてはずっと優れていると思います。

写真追及するマニアには、価格が上がりますが、より進化した、ステッピングモーターとハーモニックドライブの組み合わせが一般化しそうだな、と感じます。バックラッシュがほぼ無く反応の時間遅れが僅少だからです。大きめのピリオディックモーションは、オートガイド等のデジタルな制御と相性が良く、対応できると思います。同じ潮流で、さらにその次は、ダイレクト・ドライブ化でしょうか。今後はBTX AI4などで写真の処理は変わっていくかもしれませんが、基本性能も大事と思います。

一方で、クラシックでノスタルジックな機材も心地よくカッコよいなと思う自分がいます。

なお、これまでのAZ-GTiは、ジャンクを修理したりして、3台に増殖しました。多すぎ。でも人工衛星を追尾できますし、なんといっても軽量便利。

 

SA-GTi使用、明るいベランダでの撮影4枚。どれもライブスタックです。

西村彗星、FC65, ASI533MCP

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M33, セレストロンC5, ASI533MCP

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M1, セレストロンC5, ASI533MCP

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M27, セレストロンC5, ASI533MCP

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2.DSP2023の世界(5月)

DSP2023は双望会の流れを汲むものと思います。素晴らしい眼視の世界でした。場違いな小生でありますが、初めて参加させていただけました。眼のキラキラした造詣深い有名な皆様と、あまりにも工夫洗練された機材にワクワクでした。この世界が壊れず大切に残されるべきであると同時にこの世界を楽しむ層がもっともっと広くなって増えればよいな、と思いました。

いろいろな方の素晴らしくチューニングされた機材で、超絶高精細な太陽面を観望させていただけました。(夜は残念。天候いまいちでした。)津村師は皆にいろいろなご経験を伝授されていました。初めてリアルお会いできました。

すべての 運営の方々に感謝です。すばらしいプログラム盛りだくさんでした。双眼病にも感染しました。また、ラッキーなことに超新星SN2023ixf(前日に板垣公一さんによって発見)を教えていただき、撮影できたのも思い出です。

若い方々や女性も参加されていました。皆さま意欲的で素敵な方ばかりです。天文の裾野が広がれば、そこから何パーセントか、マニアックで素敵な新世代が生まれてきて、もっと遠くまで伸びていくのだと思います。そういう方々が増えていって欲しいな、と思いました。

津村師、超速ドブ組み立てを実演するの図

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元気! 〇見屋店長さん、初参加の方々、それを優しく?見守る主催側KさんHoshiimg_9611

 

ちゃうしんせいSN2023ixf

FC65, SA-GTi, 僅かな雲間にASIAIR極軸合わせ無し、ピント合わせ無し、無理矢理プレートソルブ導入

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3.胎内星祭り(8月)

星祭りは楽しく、貴重です。続けて欲しいです。ほんのちょっとですが運営事務局にカンパしました。

巨大有名66センチメートルドブソニアンのHさん、彗星撮影達人のWさんともお会い出来ました。津村師のご著作を入手できたのがとってもハッピーでした。天文リフレクションズ編集長様はじめ、Twitterなどで存じ上げていた方々ともお会い出来ました。ほんまかさんのブースにも伺いました。トミタさんPlaneWaveの動作を見ました。静か、高速。次世代が見えました。SVBONYさんのブースでは、ほんの僅かでしたが、他の方々と共にお手伝いさせていただきました。

最初の晩は、深夜少し晴れて、光軸が合った大きなドブソニアンとクリアな接眼レンズで、いくつかの星団や木星を楽しませていただけました。翌日は、余りにも暑くて体調不調。一晩で先に失礼しました。(健康は大事です。小海町星まつりは今年は不参加。来年こそは・・・)

 

お店いっぱい、熱い新潟県

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望遠鏡エリア

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津村師ご著作とブラックパンダさんのところで購入のアクロマートレンズ

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九州からはるばるTOMITAさん

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ほんまかさんの奥様作の花飾り。可愛らしく、妻へのおみやげにしました。

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参考:6月に行きました。ほんまかさんの群馬県赤城山のSS-Oneショップ。首都圏から仕事後にすぐ行けて機材試せる斬新なコンセプト。

新機材も開発連発、凄いです。

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4.丹羽 雅彦 氏 個展「時空を超えた贈りもの - 宇宙は不思議で美しい -」

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7月末、丹羽雅彦さんの作品展を拝見することができました。これも新しい潮流だと思います。時空の彼方から到着する光子の荘厳さに感激。


氏の物理現象への深い理解と同時に、独自の審美眼を感じたように思います。

別格のクオリティでした。敢えて星を消してモノクロ化した作品に端的にみられるように、強い自己主張があるのに、全く破綻が感じられません。宇宙空間に在る荘厳かつダイナミックな造形を大画面で伝える。それを実現しているのは、①捉えた光子の量・質が段違いであること、②非常に大きなデータを緻密最適に処理していること、③印刷も世界最高レベルであること、④自分なりに再構成しているのに、自然な画面にまとめる稀有な御才能・御感性、だと思いました。

大局的造形だけでなく、映り込む小さな小さな銀河にまで、しっかり可憐な美しさと愛情があるのです。投入された技術、コスト、労力、センスは、尋常ではないと思いました。

1000年後の未来には、2023年ころの重力の底から宇宙を見上げていた時代の宇宙芸術作品として美術館に展示されているのではないか、と思います。

 

5.双眼鏡

小生の双眼鏡は、キャノンの防振装置付きのものです。口径36ミリアクロマート12倍。けっこう色収差や非点収差を感じます。自分の眼球も悪いですしね。

口径を21ミリ程度に絞ると、光量は減りますが、光学系・眼球による収差がぐんと減少します。そのため、光量が大きい月面と木星ならば、程よい明るさでおどろくほど解像良く見えます。眼の劣化のため月面見るとモジャモジャが強くなりますが。若い眼のうちに見てね。

国際宇宙ステーションは、金星のようにとてもまぶしいです。なので口径を13ミリ程度まで絞ったところ、なんと太陽電池パドルが1枚判別できました。中国の宇宙ステーションも、点像ではないことが分かりました。

高倍率ですと視野内に導入維持するのが難しいですが、ISS観望は、高倍率防振双眼鏡の新しいチャレンジのひとつではないかと思いました。ISSは頭上近くを通るときは、木星の視直径くらいの大きさに見えますので、防振できればなんとか形状が分かります。2030年に運用終了、翌年大気圏へ、という予定みたいです。見るのは今のうち。

この双眼鏡は、数年前の天文再開時に購入したものですが、表面のゴム被膜が加水分解してねばねば不快になりました。機械は正常なのですが。そこで、ツイッターなどで教えていただいたように、無水アルコールで拭きし、さらにヘラで削ぎ落とすことでかなり除去できました。もっと経年変化に強い材質・構造にして欲しいと思いました。安くはない機材です。

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6.二重星

空の明るいベランダ観望では、二重星が、眼視・写真ともに楽しいです。SynScanProは二重星リストで導入しやすいです。

シリウス SV305,セレストロンC5直焦点, SharpCap動画を処理

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おひつじ座エプシロン星:木星とサイズ比較

asiair, asi533MCP, セレストロンC5

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7.月面ミネラル・カラー

彩度を上げると、模様が見えます。地質の違いが感じられて新鮮。飛沫の飛散や溶岩?を感じます。

しばらく使わなかったSV305ですが、ピクセルピッチが2.9μで比較的小さく、SharpCap4.1でser動画撮影でsharpnessかけたり、RegiStax使ったりしています。2倍再サンプリングやウェーブレット処理で解像感も高めています。なお、つい最近、SharpCap4.1自体にもミネラルカラー強調機能が実装されたみたいです(未検証)。

コペルニクス

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アリスタルコスを青っぽく処理。左上のひし形部分はやや茶色を帯びます。

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8.ソフト・機材の激しい進化・競争

SharpCap4.1の進化がすごいです。最近は、SharpCap4.1利用が増えました。SharpSolve(=プレートソルブ機能)を最初から実装。惑星(月面)ライブスタックにウェーブレット処理など実装で高精細。もともとASIAIRよりも広い動画が撮れる。彗星核追尾。月面ミネラルカラー等々。毎週くらいに頻繁に修正・機能拡張しています。SharpCapは多機能で、調整項目が多いです。

他方、ASIAIRも、テストフライト版でSONYミラーレスへの対応。FUJI機への拡張も見えているような。対応架台も増える? 

AstroArtsはステラショット3とGearBoxが進化中みたいです。

SS-oneショップは、YouTubeで拝見していますと、機材のEQ-MOD対応やCMOS CAPTURE V2ソフトなど多方面同時に、ものすごい勢いで未来を見据えて開発中みたいです。

また、SkyWatcherのSynScanProが、Xboxゲームコントローラーで操作できるようになりました。アイピース覗きながらブラインドタッチ便利です。

みんなガンバレー。

ZWO/ASIAIR一強でなく、競争原理が働いてこそ、意欲的な製品が現れ、結果的にユーザーの利益になるのだと思います。

 

SharpCap4.1 木星ライブスタッキングのSharpening & Adjustments機能

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SkyWatcher SynScanPro, Xboxゲームコントローラーで操作できます。アイピース覗きながらブラインドタッチ操作。

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9. リンゴとアップルパイ(SeeStarは星まつりでしか見たことないですけど)

リンゴは、皮ごとかじると、ゴソゴソしますが、生の風味が鮮烈です。RAWでありFITSです。アップルパイを調理したければ、それは自分の技量です。美味しくできるときもあれば、失敗もあるでしょう。独自の味です。自分は、アップルパイはできません。せいぜい、やりすぎ焦げた焼きリンゴでしょう。他方、市販アップルパイは、ベーカリーさんがノウハウ込めたレシピでバターや砂糖、小麦、香料などと組み合わせて加熱、たくさん焼き上げます。元のリンゴの風味はうまく残っています。お店から買ってきて頬張れば、たいていの場合、いつでも安価簡単に「うまー♡」と幸せになれます。星まつりで見たことしかないですけど、SeeStarはベーカリー市販アップルパイではないでしょうか。

自分は自作もベーカリー市販品もどっちも好きです。

皆様、2023年、何かとお世話になりました。良いお年をお迎えください。♡

 

 

ZTF彗星 1月

AZ-GTi、セレストロンC5

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(了)

2022年7月14日 (木)

(続)はたらくNEWTONYくん:天体写真まとめ

0.拙い写真ですが、ご容赦を。

一等星程度しか見えない空と自己改造機材、未熟な技量の結果です。ご笑覧ください。

全てレンズレス・シュミット化NEWTONY君、ASI533MCP(0℃、ゲイン360)、サイトロンQBPフィルター、ASIAIR, 改造AZ-GTi(EQ modeオートガイド)での撮影です。

まだ小生ブログに載せていない写真だけ(ただし、ツイッターに既に載せた写真とは3割くらい重複あり)です。

なお、自分的には気に入っている網状星雲・北アメリカ星雲の写真は、少し前の下記ブログ記事の末尾に有ります。

「再び長文注意:非推奨暴挙改造:レンズレス・シュミット化NEWTONY君でASI533MCPを使う」

 

使用アプリ:ASI Studio, YIMG, nikon CaptureNX2, MSペイント(ファイル形式変換、文字入れ、スクリーンコピー貼り付け)、ASIAIRアプリ、PIPP, RegiStax6

フード長さ約200mm,絞り口径41mm, FL200mm(球面鏡)

写野3.26度×3.26度(ASIAIRプレートソルブによる自動導入時の表示)。

色収差なし、若干の球面収差残るが星像が比較的小さく固い、スパイダーの強い光条、フィルタ等の反射と思われる模様、光量不均一、光軸ずれ、球面収差、像面湾曲、周辺部画像崩れ、斜鏡位置ずれ、光軸等調整難しい、等々の個性有り。

 

1.M16(Eagle星雲)、創造の柱

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ライブスタック、180s*42

中央部トリミング。

口径41mmでもなんとか形が分かって嬉しい。

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写野全体

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2.月

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強トリミング。動画からPIPP,RegiStax6で2倍リサンプリング後に軽くウェーブレット

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3.土星

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超強トリミング。 左:動画からPIPP直焦点画像、  右:動画からPIPP, RegiStax6で2倍drizzle後に軽くウェーブレット処理。drizzleとリサンプリングで違いが感じられませんでした。

モアレ出てるようです。

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4.バブル星雲(NGC7635)等

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ライブスタック 180s*41

バブル部分トリミング。シャボン玉を狙ったのはこれが初めてでした。写って嬉しかったです。

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左から散開星団M52、バブル星雲(NGC7635)、赤いSH2-158

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5.土星星雲(NGC7009)

20220709

ライブスタック30s*5

青くてとっても小さいです。

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6.らせん星雲(NGC7093)

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ライブスタックと一枚撮り合計14枚×180秒

トリミング、激しく強調。むちゃくちゃ明るい低空の空。

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フラットなし全体(180秒1枚撮り2枚加算平均)

この鏡筒は、フラット補正が難しく、小生には無理な水準。ちゃんとしたツールが必要ですね。

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7.こと座リング星雲付近

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ライブスタック, 30s*20

ちっちゃい。

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8.M7 (Ptolemy's Cluster)

20220708

ライブスタック 60s*20

惑星状星雲がいくつかあるようですが、Cn 2-1のみ薄い緑色でこれだと思います。

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全体

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9.M13

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ライブスタック、180s*5

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10.M17

20220604

ライブスタック、30s*47

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11.M8, M20

20220604

ライブスタック、30s*60

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12.M27

20220617

ライブスタック、180s*30

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13.M11

20220702

ライブスタック180s*2

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14.混濁の大気の彼方

Cat's Paw Nebula(左上), Bug Nebula(中央右下の小さな惑星状星雲)

20220709

ライブスタック、60s*72

低空

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15.ある薄明の風景

20220701

天文薄明中のさそり座アンタレス付近です。
印象派的になりました。

人工衛星が入りました。薄明時には多数明るく飛越します。

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(了)

 

 

 

 

 

2022年7月 7日 (木)

はたらくNEWTONYくん:C/2017 K2 パンスターズ彗星

レンズレス・シュミット化NEWTONYくんが、C/2017 K2 (PANSTARRS)彗星にトライしました。

彗星核付近トリミング、左上から右下方向への約80分間の移動です。

ライブスタック180s*4を2回(露光終了時刻 21:19および22:40)

ASI533MCP, 0℃, サイトロンQBPフィルター, ASIAIR, ゲイン360, AZ-GTi赤道儀モード

鏡筒フード絞り口径41mm, FL=200mm

ASI FITS VIEW, YIMG, nikon Capture NX2, MS paint

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写野全景です。約3.2×3.2度。フラットを懸命に修正しましたが、合いません。

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ASI FITS VIEWで、画面中心部の解像の程度を見てみました。

(180秒露光1枚を超拡大)

まず、debayer前。マーカーしてあるのが彗星です。

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debayer後です。

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画面中心部は、概ね3×3ピクセルに収まっているようです。結構鋭いと思います。

焦点距離200~500mm程度ならば、素晴らしい屈折鏡筒が世には多く存在します。

しかし、色収差の無い像は、新鮮に感じます。

ただし、光軸合わせ、フラット、周辺像には問題があります。輝星がある場合にはスパイダーの光条も目立ちます。

 

(了)

 

 

2022年6月28日 (火)

再び長文注意:非推奨暴挙改造:レンズレス・シュミット化NEWTONY君でASI533MCPを使う

0.多種多様なアマチュア天文界の方々の日夜のご活躍をお喜び申し上げます。

さて、本記事は、こういう改造をしたらこうなりました、という情報提供にすぎません。

この改造を推奨するものではありません。プリングルズ鏡筒の外見とは異なり、全体改造も調整も自分的には難しかったです。

でも面白かった。

改造はあくまでも自己責任です。

最近のツイートを元に、かなり追加してまとめました。

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1.ACUTER OPTICS NEWTONY をレンズレスシュミット化する

可愛らしい口径50mm F4のニュートン反射です。素敵ですが、球面収差、コマ収差が目立ちます。

そこで、2019年7月に、小生は、まず、レンズレス・シュミット化改造を致しました。

レンズレスシュミット化でコマ収差が消せます。しかし、シュミット補正版が無いので球面収差を補正することはできません。なので球面収差は残りますが、口径を絞れば軽減されます。

当時、SVbonyさんのSV305を使いたかったのです。接眼部回りを短縮改造、軽量紙鏡筒で延長しました。

使いこなしは、結構繊細で難しかったです。

レンズレス・シュミットについきましては、2012年に、先見の明と行動の方、シベット様が記事になさっています。多謝。

レンズレス・シュミット・ニュートンを作る

 

小生の当時の記事もご参考。シベット様には、光学計算のコメントもしていただきました。

徒然臭(その2):SIGHTRON NEWTONY でレンズレス・シュミット・ニュートン、SV305も装着

徒然臭(その4:終わり):レンズレス・シュミット・ニュートニ―くん:ノーフィルターSV305直焦点試写

 

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2.ASI533MCPを使いたいんだよう

小生の旗艦カメラASI533MCPの画面サイズは11×11mm。装着すれば3.6×3.6度くらいでかなり広角。シュミットカメラは、像面が球面に湾曲します。脳内雰囲気的には、おそらくセンサー面の直径10mm円以内ならピントズレは中央部に比べて0.13mm以内にとどまりそう。それに、SV305(画面サイズ5.6×3.2mm)の感触から、残存球面収差のボケもありますし、小生のようなゆるーい鑑賞用であれば、フィールドフラットナーを付けなくても許容範囲だろう、と判断しました。光学計算アプリ使えないですけど。

 

3.主鏡セル改造
元のままのNEWTONYでは、CMOSカメラのセンサー面よりもかなり斜鏡側に結像するため、ピントが合いません。SV305の場合には接眼部を削り短縮することでギリギリ対処できましたが、今度は更に大きく焦点位置を引き出さないとだめです。ASI533MCPでピントが合うように、主鏡を更に12mm程度(以前の短縮改造も含めれば、トータル18mmくらいになるか?)せり出す必要があったように思います。斜鏡も大きくすべきかもしれませんが、絞りで光束径を9ミリ小さくすることもあり、画面中央は影響がないこと、周辺減光は元々大きいので、フラット補正すれば大勢に影響はないだろう、と省略しました。

4.絞りフード

ツイッターでマリーチさんからプリングルズを教えていただき、紙筒にしています。長さは焦点距離にちょっと欠ける180mmくらいです。以前作成のものをそのまま使用。絞り口径41mmです。調整を容易にするため、やや偏心させてあります。周辺減光を無くすためには、30mmくらいまで絞らないといけないと思うのですが、そんなことをすれば暗すぎますし、斜鏡の遮蔽で中央部が一段と暗くなることが予想され、非現実的です。結果、動物的バランス感とハサミの切り抜き誤差で、絞り口径は41mmになっています。

 

5.主鏡かさ上げ・光軸調整機構の工作

主鏡セルは、細いマイナスドライバーでこじって無理矢理鏡筒から外しました。

ハンドドリルで頑張りました。

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押しねじ。紙やすりで頭を丸く削りました。

なお、主鏡は、つまようじを数本隙間から注意深く徐々に押し込んで、ノミで花崗岩を割るようにして、剥がしました。

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5ミリ厚スポンジをバネ替わりにしました。基部ねじは接着剤とともにしっかり打ち込みました。

円盤状アルミは、ハサミで切りました。押しねじ用に凹みを設けました。

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ここに主鏡を張り付けます。

DIY店で購入した木材の丸板は、黒いプラスチックのセルの3か所のツメに合うように彫刻刀で削りました。

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主鏡固定に両面テープ

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きれいに貼り付けできました。

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これで主鏡光軸修正はバッチリです。

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7.カメラ接続アダプタ(T2-31.7mm)短縮

光束のロスを減らすため、短縮します。

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短縮後と比較

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アルミなので、ヤスリでゴリゴリ8mmくらい短くしたと思います。フィルタ用ネジ切り部が十分残る長さに留めました。

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サイトロンQBPフィルターです。多層膜ですので、ミラーみたいです。

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8.鏡筒固定:針金と輪ゴムで粗雑に現物合わせしながら作りました。

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針金をカメラ固定リング(以前にエレクトリック・シープさんで購入)に挟んで、上下調節できます。

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アリガタにも針金固定しました。

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9.私は愚かな光軸合わせの泥沼住人

やわな構造なので、あやしくアバウトに光軸修正。それでも小生にはとっても難しいです。

(0)(遠方風景を写してピントが合っている状態からスタート)
主鏡は6角レンチ、斜鏡は首の長いプラスドライバで注意深く行いました。
カメラに写るリアル星で合わせようとしたこともありますが、合いませんでした。
一度カメラを外すと、戻すときに大きくずれるため、たとえレーザー等を用いた器具があっても、使えないと思いました(持っていませんけど)。
結局、
(1)まず主鏡光軸修正を行う。数メートル離れたところからフード先端部の絞り蓋を付けたり外したりしつつ、鏡筒を覗き込んで、スパイダーと斜鏡の影が主鏡円のほぼ中央に来るように調整する。
(2)首長ドライバーを用いて斜鏡を調節する。
スパイダー、斜鏡の影、鏡のようなCMOSカメラフィルタ、の3つが対称性良く主鏡円のほぼ中央に来るように注意深く調整。絞り蓋を外して眼を鏡筒に近づけて少し振れつつ見ると、CMOSカメラにつけたフィルタが鏡のように明るく見えるので、それが欠けずに主鏡、スパイダー、斜鏡と同心になるように、首長ドライバーで超絶微妙に調整。
(3)絞り蓋をはめた状態で数メートル離れて覗き込み、様子を見ます。斜鏡影が概ね同心円になっているはずです(斜鏡が光路設計上エプシロンのように僅かに偏芯設置されているように見えるんですが、無視しました。)。だめなら、適宜(1)と(2)を行う。
(4)星を撮影(連続previwや動画を使用)し、ピントを再修正し、カメラと光軸の総体的傾きが感じられた場合は針金の挟まれた部分長を変えたり腕力で微妙に針金を曲げて調整。ピントがずれたら、ピントリングを回して合わせる。泥沼に陥ったら、潔く(1)からやり直す。
(5)かなりうまく合ったと思ったら、以後、斜鏡調節ねじは繊細過ぎるので極力いじらない。フード先端部の絞り蓋(わざと偏心させてある)を回転し、周辺減光がなるべく偏らない角位置を探索し、印をつける。わずかな主鏡光軸修正で偏りを調整することも可能。いざとなれば、ピントも4つの主鏡光軸修正ねじを使って2ミリ程度変更可能ですが、全てやり直しになります。

 

光軸調整後の風景。黒い紙の板は、フラット撮影時の反射減少のためのもの。

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主鏡光軸調節ねじ。真ん中は押し、周囲の3つは引きねじ。調子よいです。

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斜鏡調節用の首長ドライバー

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5.フラット撮影と気づきの点

(1)主鏡が小さく、フードの絞り口径が大きすぎるため、理想的なシュミットカメラとは異なります。
このため、大きな周辺減光と全面に複雑なかぶりがあります。
従って、フラット補正が不可欠です。
ASIAIRのLiveStackは、Light撮影時に、前もって準備したダーク、フラット、バイアス画像を撮影と同時に適用し、補正された画像を蓄積できます。このために、ダーク、フラット、バイアス撮影をLight撮影前に行いました。便利です。

フラット撮影方法お試し結果
×iPadで真っ白な画像を使って、絞りフードに接近させて撮影
△iPadで真っ白な画像を使って、絞りフードから離して撮影
〇リアル夕刻の薄明るい空で撮影

なぜ、夕空フラットが最も良かったのでしょう?

iPadとの主要な違いは、ガラス面の反射だと思います。

おそらく、iPad画面のガラスから出発した光が、主鏡・斜鏡・フィルター・斜鏡・主鏡・iPadガラス面・主鏡・斜鏡・・・・・・・と往復ループして、フラットの乱れを生じていると推測します。
なので、理想的には、絞りフード開口部から外に大きな空間のある白い球状の風船のようなフラットジェネレータを造形できると良いのかもしれません。

 

(2)フラット無し撮影の例

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(3)iPad miniでフラット撮影を試す。

最高輝度で超短時間露光で行いました。

以前、パソコンモニターで暗くしてフラットとを撮ろうとして、PW制御のLED明滅のためか、縞模様が出たり不安定だったからです。

(ガラス面に照明が写り込んでいます。前述のとおり、ガラス面とカメラ部フィルタ面で光が往復反射するのが、今回フラットを乱す大きな原因だったと思います。)

Img_7231

 

(4)うまく行かなかった例。

iPad miniを極力近づけてのフラット撮影。(イメージ。実際は暗闇で行います。)

Img_7232

 

その結果です。ダメでした。×

Ft9wre8veaed5jb

 

(5)フードから離して撮影(イメージ。実際は暗闇で行います。)

Img_7233

 

その結果。火星です。まあまあです。△

Mars_300s_bin1_

 

しかし、強い画像処理を行うと、不均一が現れます。

Pluto_1800s

 

 

(6)どうにも合わないので、やけくそで、夕刻の空でフラット撮ったら、実は最も良かったです。

(画面はイメージ。実際は薄暗くなった夕方の快晴の空でフラット撮ります。)

Img_7235

 

偶然の夕空フラットの結果です。なかなかいい。

ダーク、フラット、バイアス補正有りライブスタック180s*10*6set

一種の手動6枚ディザリング

周辺部は、大きく不整な口径食があるうえ、球面になった像面、球面収差、カメラセンサー面が光軸に対し傾いたりずれたりしている ため、ボケや乱れがあります。

Moujou_180s60

 

ちょっと黒を引き締めました。

Moujou_180s60_cnx_20220627190401

 

色を反転するのも新鮮です。

Moujou_180s60_cnx_nega

 

同じ晩の北アメリカ星雲。かなり広角ながら、星に色収差が見られないのが新鮮です。

(厳密には、フィルタ、カメラのオプティカルウィンドウ、素子のカバーガラス等の効果はあります。)

Hokubeistack25_light_fov-cross_1800s_bin

 

これも色反転してみました。水素が青くなります。

Stack25__1800s_bin1_cnx_enhance_nega

 

(7)撮影機材の雄姿です。

Img_7204

 

NEWTONY君でいろいろ試せました。網状星雲もこれまでで最高に写せて、嬉し。

ハードル高いですけど、光学設計とか、フラットナーとか、もっと大きな主鏡とか、3Dプリンタとか、実力も無いのに妄想だけが膨らみます。世の中、やってみたいことが多すぎます。アマ天がこんなに多様に楽しめる時代がこれまでにあったでしょうか。

202206180258stack10_light_jupiter_300s_b

(了)

 

 

 

 

 

 

 

2021年8月26日 (木)

なんとなく狂解像:その1

0.今日も妄想

天文ファン界は、感染症であふれている。

ポチリヌス菌症だけではない。

口径病、反射病、屈折病、架台剛性追及病、接眼病、双眼病、狂拡大病、自動導入病、ノイズ病、眼視病、電視病、ベランダ隔離されます病、その他ありとあらゆる常人とはかけ離れた症状を呈する。複数の病に感染しても、免疫を獲得するどころか、更に体力・財力・家庭平安を損ないヘロヘロになる特徴がある。

小生はここ数日、狂解像病である。これは、ISS追尾者に多く見られるところの狂拡大病に通じる悪性のものだ。

発症要因は、Netの海に飛沫の如く漂う各国マニアによるガリレオ衛星のすごい写真である。模様が見えてるじゃん!

小生の主鏡筒は、5インチシュミカセのセレストロンC5。

いまいち見えが良くない。光軸修正をやりすぎで、ねじ(ネジではない。JIS用語ではひらがならしい。)の頭を崩してしまうほどだったが、光量はともかく、〇カハシの何十年か前の6.5cmフローライト屈折と同じくらいの解像感に留まっているようだ。(ねじ破損ににつきましては、twitterの威力で、宙歌さんの情報で、安価に交換出来ました。ありがとうございました。)

しかし、ボケ、低コントラストに対しても、手はある。

かつてハッブル望遠鏡が、計測のミスで設計通りの鏡面に作られず、がっかりの星像であった。補正光学系を宇宙に運んで修繕するまでは、地上で、取り敢えずソフトウェア的に緩和する手段が採られた。

すなわち,Drizzle(小生よく理解できてません。)がこれには含まれていたらしい。

Wiki: Drizzle(image processing)

 

1.中途半端にDrizzleして撃沈

素材は、8月23日夜に撮影した、ガニメデとエウロパの接近動画です。

本当は、撮影された何百というコマそれぞれを再サンプリングして細かい画像を作ってそれを位置合わせスタックするのが筋と思います。

また、小生機材では、アンダーサンプリング画像でもない画質と感じます。(たとえ、オーバーサンプリングであっても、更なるオーバーサンプリング後に位置合わせスタックすれば、光源位置推定の精度は上がり、解像効果あると思います。)

しかし、めんどーなのです。小生には、うまく繰り返し操作させるマクロのノウハウが無い。

そこで、いつもの中途半端な原始時代的人力処理です。

①PIPPでOptimise Option を試しにISSに設定したら、動画からTIFが2百個くらい生成できたので、それをYIMGで人力で16個ずつ位置合わせスタックしたものをつくりました。素のピクセル解像で、極めて粗いです。(全部で12回、計12個の画像作りました。ほんとは、こんなまとめ方は中途半端なおかしい方法です。)

②12個それぞれを、中心部クロップのうえ、YIMGで300%の再サンプリング行い細かくし、次いで、12個の細かくした画像を位置合わせスタックしました。結果、大気差のある画像が出来ました。

③上記1画像に対し、Lambdaさんにこれまたtwitterで教えていただいた方法で、RegiStax6を用いてRGB Alignを行い、大気差を緩和しました。Wavelet処理もかけました。しかし、今次方法では、2個の衛星には分離までには至りませんでした。

④撮影時刻頃の衛星の状態は、Skysafari pro では、こんな感じでした。

 

上記①から④を1枚に並べた画像です。

5インチシュミカセのセレストロンC5。FL=1362mm(ASIAIRプレートソルビングでの表示)、直焦点ASI533MCproである。ピクセルピッチ3.76μm(0.57秒角)

Compare4_trm

 

大体同じ時刻の全体像に処理画像を張り付けました。こんなくらいの先鋭化です。

117

 

 

2.思ったこと

今回方法は期待よりも効果薄かった。

機材と大気含めての光学系だなー。

バーローレンズあると良さげ。

エアリーディスクやドーズの限界超えて解像できるのは、当然な予感。デジタル化により、ニュートン力学から量子力学への拡張のような。

人間は黄斑部中心の視細胞密度すら超えた解像力を持っていると思われるが、眼球の微細振動による走査と視神経や脳にによる処理により、ピクセル超えの解像を得ているのだろう。

 

3.次回へ続く(かもしれない):なんとなく狂解像:その2

(ガニメデとエウロパの接近画像、他のあやしい手抜きバリエーション)

 

 

 

 

 

 

2021年7月14日 (水)

お気楽に、5秒×多枚数スタックで星雲を撮る

2か月ぶりにブログ更新

諸般の事情で、手軽なツイッターの日々。たまにはブログにしましょう。

架台のAZ-GTiの精度・強度を考慮して撮影しました。

すなわち、冷却CMOSカメラとASIAIR proで5秒間露光、多枚数ライブスタックで明るい惑星状星雲などを撮ってみました。

北極星の見えない空の明るいベランダでお手軽撮影。

赤道儀モードの場合、極軸は目分量です。亜鈴状星雲やリング星雲に至っては、水平も怪しい経緯台モードです。

PIやPS,SIなども興味ありますが、未導入です。フリーソフト等でお気楽画像処理です。

しかし、結果は、ああ、相当に高精細と自己満足。

短秒多枚数スタックは、八難を隠す。

 

1.M27 亜鈴状星雲

中心星?の横のとても小さな恒星もかろうじて分離して写りました。

露光は不足ですが、赤いモクモクを感じます。梅雨のころですが、大気が安定した晩でした。

2430sec_adj_trm_cnx2

セレストロンC5直焦点、ZWO IR/UV CUT フィルター 、ASI533MCpro冷却マイナス10°C、

ライブスタック5秒×約120枚ライブスタック×4セット(トータル2430秒)

ダーク有り

AZ-GTi経緯台モード、ずれずれのノータッチガイド

2021年6月10日

 

2.M57 こと座リング星雲

(強トリミング)

心眼で、リングの微細構造が見えます(笑)

この晩は、大気が悪かったです。

M57_yimg0705

セレストロンC5直焦点、フィルター無し、ASI533MCpro冷却マイナス10℃

5秒×30枚ライブスタック×5セット(トータル750秒)

ダーク有り、ノータッチガイド

トリミング後270%Drizzle

YIMGで弱くウェーブレット処理等

2021年6月18日

 

3.M17 オメガ星雲

大気がとても安定した晩でした。

驚き。ガスの帯のような構造も見えます。

(縮緬ノイズ等ご勘弁。)

Set_omega_1_6_adj1_cnx2

セレストロンC5直焦点、フィルター 無し、ASI533MCpro冷却0°C、

ライブスタック5秒×40枚ライブスタック×6セット(トータル1200秒)

ダーク有り

AZ-GTiキメラ号赤道儀モード、ASIAIRproオートガイド

2021年7月11日

YIMG、ニコンcaptureNX2

 

1セット分撮って出しは、こんなものです。

1stack40_light_m17_50s_bin1

 

ESOの口径3.58m鏡と並べてみました。がんばれ5インチ。

なかなかの解像だと思います。

Omega_compare

 

4.AZ-GTi(赤道儀モード)とASIAIRproのファームの相性について:問題ほぼ解消

最近AZ-GTi(赤道儀モード最新ファームright_arm_0326)とASIAIRproを組み合わせると、ファームの相性が悪いのかうまく微動しませんでしたが、問題は、ほぼ解消しました。

E5v76s0vkamwo56


(変な動作)

32倍速くらい以下の低速では、赤緯微動のASIAIR画面のボタンが一方向にしか効きません。赤経方向は正常操作できます。

しかし、600倍速くらいの高速ならば、意図通りに動きます。

その後、1回だけ赤緯方向の低速微動が意図通りに操作できますが、逆方向に一度でも動かすと、もうダメになります。

無線、有線、3基の個体を問わず、同じ現象が見られました。

 

(対処)

ASIAIRproアプリ・ファームv1.6.2-8.11と、AZ-GTiモーターコントロール、ファームright_arm_0320の組み合わせならば、ほぼ大丈夫。

マルチスターガイドも一応機能します。

iPhoneのASIAIRアプリが、まれにフリーズしてカメラ接続が途切れましたが、ASIAIR自体は動いています。

なお、小生の機材(キメラ号)では、赤経・赤緯ともにガイドが時々瞬間的に跳ねる状態が見られ、原因不明です。

これは、2個の酷使されガタガタのAZ-GTiの良さそうな部品を1個の個体に仕立てたキメラ機です。

まだ調整不足ですし、ギアの擦り合わせも安定しません。その影響だと推測しています。

最近購入の通算4機目(ああ、なんでこうなるのだろう?)のAZ-GTiはまだ星空実戦投入しておらず、動作未確認です。

 

5.おまけ

7月12日AM4時ころの木星です。機材構成はオメガ星雲撮影と同一です。

(この晩は、大気がとても安定。透明度は薄雲や水蒸気で悪かったですが。)

初めて、まともに動画をレジスタックスで処理できました。(30ミリ秒×約500コマ)

小生のセレストロンC5は、どうも口径に比して解像度が幾分低い感じです。

20210712_0359_jupitor_set

(了)

 

 

2021年3月22日 (月)

ISS(国際宇宙ステーション)を望遠鏡で見る:ここ10日間ほどのまとめ

 

0.ここ10日間ほどの、Twitterへの投稿のまとめと補足です。

Iss_mc2

 

1.2021.03.14 AM04:36-04:38 : 雲上を行くISS

この晩は、ベランダで念入りに水平出しとスリースター・アラインメントを行いました。

アラインメントが良く取れたのでしょうか、格段にトラッキング精度が上がりました。

補正無しで最初から最後までアイピース視野内にとどまりました。小生の機材程度で可能になるとは、時代の進化だと思います。

眼では感じない暗い状態から、CMOSカメラには写っていました。

twitterの記事はこちらです(動画)

Youtube動画はこちら

3014

 

2.2021.03.14:  印象の御絵描き

印象の御絵描き添付します。

幾多の方々による素晴らしい写真と異なり、絵画の正確性はとても怪しいです。

視神経・脳による事象認識は不思議です。が、それが良いところでもありましょう。

小生は、当面は、生の記憶を脳裏に、心に、留めたいのです。

 

20210314iss

残念ながら雲が多く、細かい形状は確認できませんでした。

しかし、高精度の機材でうまく調整し、惑星撮影の技法を応用すれば、高解像写真撮影が期待できると感じました。

ただし、経緯台であるため、天頂付近の美味しいところは追尾できない限界があります。

 

3.パレット並走

3月13日ころ、ISSから不要になった補給艦パレットが分離されました。(やがて大気圏に突入するのでしょう)

動画の中に、雲の合間にほんの3秒間ISSと同方向へ飛翔する光点(添付写真左上端に微か)が認められました。分離されたパレットでは、と思います。
(小生twitter動画は編集で切れて残念ながら入っていません(^^;  )

小さな光点はかなり先を飛翔しており、CMOSカメラの画角に最初は入っていませんでしたが、遠ざかっていくにつれ、画角に入るようになったのだと思います。

今後、人員交代や物資補給の際、並走の追尾観望が楽しめそうです。

20210314palet

 

4.AZ-GTi経緯台モード、何だかいろいろ動かしてみる

有線制御、無線制御、iPhone画面をPC画面にミラーリング、

レグルス導入、プレートソルブ

SharpCap,Caltes de Ciel

SkySafari,SynScanpro

ApowerMirror

PreviSat, Satellite Tracker,

ASIAIRpro

Test11

 

5.2021.3.17 :ケーブル・スパゲッティ

眼視印象の絵図:ISS西から東へ

最大高度40度くらい

倍率約30倍タカハシFC65

追尾開始1分前になぜかASIAIRproとAZ-GTi電源落ち。リセット、またも大慌て。半分失敗。

LANも含め全有線化したスパゲッティが原因か?

(機材不調の後日談:12ボルト電源とASIAIRproの受電端子の接続不良だったと思われます。思いもよらぬことでした。他のケーブルに交換したところ、改善しました。

熟成していない高機能化、複雑化は、信頼性が低下するものだと改めて感じ入りました。)

20219317_iss 20210317_img_3341-1

 

6.2021.03.18 空飛ぶマンボウ

機材が重く、まだ早い時刻であり、2度に分けて運搬するのですが、その間にいたずらされたりしないように、偉大なる奥様にリチウムイオン電池を運んでいただきました。

更に、小生は老化のため、このごろ特にトイレがこらえきれず、SOS電話し、自転車で機材見張り出張応援をこれまた奥様にお願いいたしました。

更には、機材撤収でも協力してもらいました。ありがとう。

いつものことですが、もはや、今まで以上に頭が上がりません。

 

今晩のISS

雲多し。ごく短時間かろうじて視認。昨日の方がずっと良く見えました。

ASIAIRpro、ルータ絶不調につき、シンプル構成で眼視only。

シリウスでワンスターアライメント。追尾スタート誤差1度。

SatelliteTracker, SynScan

ノートPC

Iss20210318 Img_3370_iss

 

7.2021.03.19: 初めて色彩を感じる

今晩のISS御絵描き

西側にいるときに、太陽電池パドルが暗い褐色なのに初めて気づきました。感激。

やがて全面まばゆい黄白色に変貌。

シンプル確実のため、昨日と同じくPCからのUSBケーブル1本だけ。

 

20210319_iss Img_3372_trm

 

掩蔽について

この晩は、ISSが日本を縦断し、月を掩蔽する日でした。コースはかなり北なので、今回はパス。

素晴らしい熱意と蓄積と技量と機材の方々が、ど迫力の掩蔽映像をネットに掲載されております。

小生のような青二才とは異次元の素晴らしさです。

PreviSatのフランスサイトからダウンロードした正式版を用いることにより、太陽・月掩蔽の予報も、PC上はできました。しかしながら、精度は未確認です。(衛星トラッキング用のバージョンではエラーになりました。)

そのうちチャンスもめぐってくるでしょう。

 

(掩蔽予報テスト計算の例)

Test_transits_20210319_20210531

 

(了)

 

 

 

2021年1月16日 (土)

M1(かに星雲)を4つの鏡筒で撮ってみる。SIGHTRON QBPフィルター使用。

おおつ! フィラメントがメラメラしてるっ!

セレストロンC5、中央部トリミング

C5_qbp_64sec_stack10_16t_trm

 

1.使用した鏡筒はこれら4本です。

全て1.25インチ径の小さなSIGHTRON QBPフィルターを使用。

カメラは、ASI533MCpro(マイナス10℃) 

ただし、NEWTONY君のみは、ピントが出ないのでSV BONYさんのSV305(フィルター除去改造機)を使用しました。

大部分は今年になってからの撮影です。

Kizai

 

 

2.結果は、これ。

中心部のピクセル等倍スクリーンコピーです。

左から、

セレストロンC5(D127mm FL1250mm)

高橋FC65(D65mm マルチフラットナー1.04付けたので、FL約520mm)

右上 SIGHTRON NEWTONY君、レンズレス・シュミット・ニュートン改造(絞りD41mm FL200mm)

右下 TANZUTSUお嬢(エイコー スカイハーレー)(D76mm FL約600mm,  Jones-Bird 的光学系)

なお、FC65のみ、QBPフィルターなしの画像も比較のために入れました。(ZWOのIR CUTフィルタは入れましたが。)

AZ-GTi赤道儀モード。

オートガイド及び撮影は、ASIAIRpro使用。ただし、SV305・NEWTONYの場合のみPHD2とSharpCapを使用。

共通:ダークのみあり。

加工は、ASIFITSVEWER、YIMG, NIKON CNX2くらいです。

露出設定・時間等いいかげん。1時間から3時間くらいの総露光。

ゲインは

ASIAIRproは100くらい。

SV305は40(最大です)

M1_hikaku

 

3.各々の全体画像も載せておきます。

迫力のC5

QBPフィルタの色が出せたように思います。

FC65に比べ、口径の割には切れ味が若干劣りますが、光量・焦点距離がずっと大きく、最も良く映りました。

 

C5_qbp_64sec_stack10_16t

 

4.過剰品質FC65(QBPフィルタ、マルチフラットナー1.04有)

周辺まで星像が引き締まり、色収差もほぼ感じられず、頑丈で信頼感抜群。

周辺部の星がわずかに回転してますが、これは、AZ-GTiの極軸がずれてたためです。

FC65自体は、ほぼ完璧です。

ベランダで北極が見えません。ドリフト法もめんどーなので、滅多にやりません。

Fc65_qbp_60sec_stack20_5t

 

5.FC65(QBPフィルタ無し。ZWOのIR CUTフィルタは付けてあります。)

自然さとフィラメントを同時に出すようにトーンカーブ等、各種調整しました。

AZ-GTi赤道儀モードの追尾が1回だけ大きく乱れましたが、この鏡筒では如実に感じられます。

Fc65_nofilter_120sec_stack10_3t

 

6.NEWTONY (レンズレスシュミット改造)

SV BONYさんのSV305は、ノイズを除去する工夫が必要でしたが、びっくりするくらい精細に写りました。

NEWTONYあいまって、画面周辺まで、ほぼ点像です。すばらしい。

過去記事 「逆色ノイズ加算処理の試み:レス改造SV305:レンズレス・シュミットNEWTONYくん」

Newtony_sv305_qbp_60sec_stack5_20t

 

7.TANZUTSU嬢

かっこいいです。お手軽です。ビンテージです。

Jones-Bird的な光学系。バーローレンズ?の効果か、周辺の星が伸びます。

レンズレスシュミット化したい気もするのですが、ASI533等の太い缶状のカメラは、大改造なしにはバーロー無しの焦点位置に届かず、このままで眼視中心でよいのかな、と思ってます。

Tanzutsu_qbp_120sec_stack10_4t

 

8.気づきの点

フィラメントがこれだけ映って感激でした。

ASIAIRproは、ビデオモードでピント合わせが容易に出来ました。

ASI533MCproは、小さなフィルターでも実用的です。さらに、暴挙として、FC65とC5では、両面テープでカメラのセンサーウィンドウに固定しました。

TANZUTSUお嬢は、時代を超えた、十分発酵した漬物の味わいです。

光軸を合わせると、C5はかなり星像が改善しました。

FC65は安定して素晴らしい文化財です。多分40年くらい前の中古品ですが。

小型反射の球面鏡の鏡筒は、レンズレスシュミットにすると、結構コマ収差も色収差もなく、球面収差はわずかにありますが、良いと思いました。

AZ-GTiの精度、強度に不足感じました。グラフを見ながらのだましだましの運用でした。というよりも、架台沼でグレードアップすべきなのでしょうけど・・・ね。(^^;)

(了)

 

2020年11月26日 (木)

アトラス彗星(2020M3 )にトライ:TAKAHASHI FC65: AZ-GTi赤道儀モード

0.彗星悶々

夏のネオワイズ彗星は天候に恵まれず、悶々でした。

なので、小さくて暗いけれどもアトラス彗星を茨城県つくば市郊外で激写しました。

前回ブログのおまけで1枚だけ載せましたが、他のも、パラパラ動画含めて載せます。

 

機材:

FC65(500mm F8)(中古)+FC/FSマルチフラットナー1.04×

ASIAIRpro+ASI533MCpro(ZWO IR cutフィルター使用)(gain100,冷却0℃,darkあり。)

AZ-GTi赤道儀モード、ASIAIRproとFL50㎜ガイド鏡でオートガイド

使用ソフトは、ASIFITS View, YIMG, nikon CAPTURE NX2です。

彗星導入は、ASIAIRの画面にSkysafariで得たその時刻の座標を手入力してプレートソルビング導入しました。

しかし、もっと良い方法があるのにぽんにゃんさんのtwitter見てて気づきました。ASIAIRのコメットカタログから、自動導入できるんですね。

ありがとうございました。すばらしいなー。小生は自覚ありますがおまぬけですー。

 

1.彗星核基準コンポジットの中央部:

トリミングすると意外と迫力

(2020.11.18 22:06から3分露光を8枚)

機材の割にけっこう鋭像撮れたと思います。

少し核が上下に動いて伸びてます。露光は3分でも長いようです。

彗星の移動が速く、個々の星が分離しちゃってます。

 

0_7_motion_cnx_2k_ruler

 

 

2.上の1.写真の全体像

短いけれども、尾らしきものが右にあるのを感じます。

小生の場合、手作業なので面倒でした。

0_7_motion_cnx

 

 

3.中央部パラパラ動画作ってみました。:3分間隔約90分間分(写真をクリックしてもYoutube開きます

美しくできません。

twitterの方が綺麗にgifアニメでアップロードできました。そっちの方が綺麗です。

https://twitter.com/m87_jetの今は上の方にあります

 

処理の流れは、当夜撮影の32コマすべてについて、

fits→ jpg →cnx2でバッチ処理(画像各種調整、トリミング) →gifアニメ → AVI→ youtube

宇宙空間の高速な旅人を感じました。中央部1/3くらいをトリミング(933×700ピクセル)

アップロードむずかしいです。ノウハウが足りません。

youtubeは、GIFアニメは対応していないようで、AVIに変換してアップロードしましたが、オリジナルAVI動画よりも低画質に変換されて配信になってしまいました。

回避方法如何。

AZ-GTi赤道儀モードのオートガイドが東へ少しずつ流れるのも分かります。

オリジナルの動画では、宇宙線のヒットと思われるノイズもたまに見られます。

10_

 

4.3分露光の1枚画です

周辺減光未調整の画です。

0_idou

 

5.高速位置移動

前回おまけ掲載のと同じ画像です。エメラルドのネックレスの一部みたい。

高速に見かけ位置が下から上へ移動中(天の北極方向へ)。

3分露光連続した中から、18分おきに1枚、加算平均しました。

1306_1437_6_3m_a_20201126020501

 

6.雑感

ASI533は高感度です。広帯域で近赤外域にも各色の感度があるので、小生の旧いカメラレンズではノーフィルターだと恒星周囲が広く灰色になり、IR cutフィルタ不可欠な状況でした。

なので、FC65の場合も多分効果あると予想してフィルタ付けてますが、実はまだFC65でのフィルタ有無の比較検証はしていません。そのうちやってみたいと思います。

 

(了)

 

2020年11月20日 (金)

M87JET氏、久しぶりにお出かけする(妙義山、八ヶ岳)

(文中、意見にわたる部分は、M87JETの個人的な見解です。)

 

0.久しぶりの遠征

八ヶ岳方面で、昔からの友人少数名との会合がありました。

新月期で好天、群馬県の妙義山経由で行くことにしました。

2020年11月13日、到着時にはすっかり暗くなり、調べておいたこのへんかなあという駐車場に入って撮影です。

天の川が良く見え、久方振りの大変良い空でした。

何人かの方々が既に忙しく撮影準備中でした。

初めての場所で勝手がわからず、親切な先に到着の方にお手洗いの場所などを教えていただきました。ありがとうございました。

 

機材:小生初めての組み合わせでした。テストです。

FC65(中古)+FC/FSマルチフラットナー1.04×

ASIAIRpro+ASI533MCpro(冷却0℃)(プレートソルビング連動自動導入で快適です。)

AZ-GTi赤道儀モード、ASIAIRproとFL50㎜ガイド鏡でオートガイド

結果は、以下。

使用ソフトは、いずれもYIMGとnikon CAPTURE NX2です。

 

1.あんどろめだ大星雲っ!

クラシカルにこう呼びたいのです。

はみ出る迫力。クリックして拡大してみてください。冷却ASI533すごいっ!

30秒露光を30分間から60分間ほどいい加減にLiveスタックしたものをいくつか加算平均。(総露光120分間)

ダーク有り

M31_re120min

 

2.M33

宝石箱のように美しい。

60秒露光を10枚Liveスタックしたものを3セット加算平均。(総露光30分間)

ダーク有り

M33_30m

 

3.馬頭星雲・燃える樹

古い光学系の非対称な反射が目立ちますが、これはこれで味があります。40年くらい前製造の鏡筒です。

自分としては、馬の首がこんなに良く写ったのは初めてです。

180秒露光を10回Liveスタックしたものを4セット加算平均。(総露光120分間)

ダーク有り

Batou_120m_b

 

4.M42付近

180秒露光を5回スLiveスタックしたものを4セット加算平均。(総露光20分間)

ダーク有り

M42_20m_d

 

5.朝日の妙義山

険しい岩山。

カルデラの中央火口丘の名残らしいです。

Img_2130

 

6.八ヶ岳、小海町にて

妙義山から会合場所に行く道中、テレスコ工作工房さんに伺いました。これも初めてです。

お店、楽しかったです。新作の微動雲台は頑丈かつ回転もねっとり滑らかでした。

小生はペットボトルホルダーを購入しました。

その日の夜、小海リエックスホテルを過ぎてしばらく登ったところのレストハウスで、観望会らしきものがあるとの御誘いを受けました。

店主さんも、軽トラに40cmドブソニアンを載せて準備していらっしゃいました。

Img_2172

 

7.レストハウス「ふるさと」駐車場にて

友人に強引に提案し、夕食後お酒に移る前に、軽自動車2台の車列で爺さんたちは八ヶ岳をブイブイ登りました。

途中、堂々とした角の大型の鹿が道路を横切ります。

満天の素晴らしい星です。

レストハウス駐車場では、天文マニアのグループの方が食事中でした。何台かの機材が展開されていました。

テレスコハウスの店主様も、ドブとRASA(11インチの方かな?暗くてよく確認しませんでした)を準備中です。

小生を含むすこぶる怪しい爺さんたちであるにもかかわらず、グループの方々は親切に笠井の白く美しいドブソニアンなどで火星、土星、プレアデス星団などを見せてくださいました。

また、電視観望も経験させていただきました。我が友人たちは、初めての経験です。

ASI385CMOSカメラと小口径自作屈折(双眼鏡対物レンズご使用?)でリアルタイム動画に近い感じで見えます。

アンドロメダ大星雲とM27(亜鈴状星雲)を見せて戴きました。M27は、色も感じられ、青っぽい鼓の外縁の赤っぽいのも見えました。

僅か2~4秒のリフレッシュレートでも実用になり、驚くべき感度です。ガイド全く無しですが、星が日周運動で線分状になってカクカクと移動していくのが観察できました。

極めつけは、40cmドブで見たM27、土星、プレアデス星団でした。光軸も合っており、光量豊富なスッキリ星像でした。M27をあれだけはっきり眼視したのは、初めてでした。脳内処理で青色まで感じるほどの勢いでした。

天文マニアのグループの方々、テレスコ工作工房店主様、ありがとうございました。

早々に宿泊先に戻り、宴会に移りました。満天の星空や望遠鏡経験に、爺さんたちもそれぞれが感慨を持ったようでした。

 

8.みずがき湖へ向かう途中で・・・

翌日、ストーブ用の薪作りを手伝った後、みずがき湖に向かいました。これまた小生未踏の地です。

道中、カーナビさまのアドバイスで、山道に向かいます。トラクターがそこかしこで農地の土造りを行っています。肥料の香り。

そのとき気づきました。道路標識の矢印に、「川上村」とあるのです。南佐久郡。

そして、山中の丁字路にあったのです。「ISS、44次ミッション、ありがとう、油井亀美也飛行士」という感じの看板が。

そうか、ここだったのだ。氏の出身地。レタス等の産地。

 

最近何冊か宇宙飛行士選抜関係の書籍を図書館で借りて読んだ。その一冊がこれ。自分的にはとても印象的な書物です。

(実務教育出版、¥1600+税)

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油井画伯の作品は、以前JAXAつくばの公開日の展示で拝見し、小生はほっこりしたものでした。

このとき、画伯はロシアで訓練中だったと思います。

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油井氏は、天文学者か物理学者になりたかったようです。

しかしながら、ちから試しの防衛大受験に合格した日に、諸事情で、他大学でなく、そこにしてくれと言われたときには泣いたらしい。

その後、人生のいくつかの分岐点における選択において、いろいろな人に会い、いつもとてつもなく頑張り、映画のライトスタッフ(音速の壁を突破したパイロットのチャックイエーガーや軍の宇宙パイロット選抜の映画。ライトスタッフ:良い資質)の影響もあったようですが、宇宙に繋がったようです。ISSでは、他の誰よりも美しい星と地球の写真を撮っていると思います。

物理や数学のセンスは、テストパイロットとして、機体の機動飛行特性把握において、運動方程式・流体力学的な理解が有効だったろうと思います。

他方、航空幕僚監部で極めてタフな対米・対内部交渉もこなしたと想像します。

油井氏ご本人も類まれなライトスタッフの持ち主だと思いますが、本人を見つめつつ背中を押したり、結果発表の当日には収入減と3人の子の教育費用を考え、仕事の面接を受けに行っていたという奥様も、相当なライトスタッフの持ち主でいらっしゃるのだろうと推測します。

(なお、NASAのyoutubeチャンネルで見た現在のISS内部の様子では、備品のデジイチと各種交換レンズは、nikon系に見えました。あれで撮影したのでしょうか。また、幼少の氏は、写真ではメーカー不明(昔のケンコー製か?)ですが、反赤をご使用だったようです。信毎おでかけガイド

 

他のJAXA関係者やNHK取材者の著作物によると、米国NASAでの米国現役宇宙飛行士等による当時のjaxa最終10人の候補者への面接では、「あなたはなぜ宇宙飛行士を目指したか」ではなく、「何によって今ここにあなたは居るのか」というようなことをまず問われ、ここに至る生きざまを問われたらしい。(図書館で借りた本やネットで読んだ記憶なので、ちょとあやしい)

小生の5inchシュミカセの蓋には、数年前に秋葉原で入手した、氏のバッジ?みたいなものを張り付けてあります。

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9.みずがき湖

トイレも駐車場もあり、天体撮影に良いところと思いました。

館内にはタカハシの古い赤道儀など数台が展示してありました。

きのこ蕎麦のシイタケが美味しかったです。りんごをお土産に買いました。

夜には雲が出そうだったので、帰宅しました。中央高速が混み過ぎ。

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10.おまけ:遠征時の機材など

(機材写真と彗星は、茨城県つくば市郊外で11月18日撮影のものです。)

某L氏や〇ベット氏、〇〇ーチさんはじめ、天文界のご薫陶を受け、ナイトウォッチも取り寄せました。良いです。

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2020M3(ATLAS)彗星、高速移動びゅーん

2020.11.18 22:06から約90分間の移動:露光180秒:撮影した個々のコマのなかから約18分間隔の6枚加算平均

移動方向:画面下から上へ

ASI533のイメージセンサーサイズ11×11ミリ(画角は73’×73’くらい)

90分間で5分角くらい動いている感じ。オリオン座付近にいました。

ASIAIRproのプレートソルビング連動自動導入機能にSkysafariで得た赤経赤緯座標を入力してGo!。

見事に導入できました。

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おそまつさまでした。

(了)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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