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AZ-EQ AVANT

2020年7月17日 (金)

徒然臭(その2):SIGHTRON NEWTONY でレンズレス・シュミット・ニュートン、SV305も装着

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レンズレス・シュミット・ニュートン

シベットさんが2012年にブログ記事「レンズレス・シュミット・ニュートンを作る」で取り組んでいらっしゃいます。

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そうとは存じ上げぬまま、雨続きの中、てれてれと紙工作をしたのでした。

動機は、NEWTONYくんが球面鏡であるらしいこと、

そして、自分の機体では、下の素の直焦点試写のように、星の集光は鋭いが、点像の周囲にコマや球面収差で光が広がる傾向があるように思えたからです。

 

SV305でNEWTONY 直焦点試写

購入直後のNEWTONY君、

うす曇りでほとんど星が写らない中、完璧ノーフィルタ、絞りも無し、F4直焦点画像です。バローも無し。素の特性が見たかったので。

FITS加工がうまくできないのですが、とりあえず。

球面収差・コマ収差のフレアを強調してあります。

全面で集光が3×3ピクセル(1ピクセル2.9ミクロン)以内に強い集光を見せますが、収差による広がりが見られます。

基本的には、かなり良い鏡筒と思いました。

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NEWTONYくん、レンズレス・シュミット・ニュートン化の御姿

ゴムひもを両面テープで張り付けた4個の金具にひっかけ、また、マスキングテープも使って固定しています。

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紙筒が湿度やそもそもの精度・強度不足でいつも多少曲がってるので、筒先の絞りを1.5mm偏芯させ、アイピースを覗きながら調整する運用にしました。

(もう少し偏芯大きくさせた方が調整によさげ。)

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工作試行錯誤の結果、チップスターの販売に貢献しています。

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接眼レンズ

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小海町の星祭りで安価に購入したLV10mmに1.6倍バロー(Wiliam Opticsの双眼装置付属品)をねじ込みました。

巨匠シベットさん達がお試しの、バローレンズ併用方法です。

アルミの薄板を加工して巻いて、アイピース位置を調節しました。

鏡筒内に若干突き出し、光路を遮りますが、眼視では気になりません。

小生の設置位置では、バローレンズの実効倍率は1.3倍くらいになる感じです。

 

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レンズレス・シュミットの効果を見る

古いコンデジで、約300メートル先の鉄塔を見ます。

SONY DSC-WX70 記録は4680×3456ピクセルJPGです。

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バローレンズ有り、絞り無し

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バローレンズ有り、絞り有り(レンズレス・シュミット・ニュートン)

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バローレンズ無し、絞り無し

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バローレンズ無し、絞り有り(レンズレス・シュミット・ニュートン)

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結果:

写真について:

写真では、周辺部のボケが目立ちますが、コリメート法に起因するものが大きいと思います。

全体として、レンズレス・シュミット・ニュートンの方が多少すっきりしてると感じましたが、大きな差は感じません。

接眼レンズに加えてコンデジのレンズによる色収差その他の収差が強く、絞りによる収差への影響を感じにくいのだろうと思います。

 

眼視について:

他方、眼視では、差が良くわかると思いました。レンズレス・シュミット・ニュートンの方が周辺像が自然で、スッキリした画像で楽に観望できると感じます。コマ収差がかなり減っているようです。

絞りを付けない(=純ニュートン)と、視野中心部においては、解像度は変わらないですが、明暗の境界に白いカスミがあるような感じがします。

なお、鉄塔の赤い丸い物体は、多分、視直径100秒くらいではなかろうかと思います。眼視では、もっと解像して見えます。

 

他のアイピースで鉄塔を眼視する

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他にも、手持ちのアイピース(24.5mm径の昔の高橋オルソ4本及びウィリアムオプティクスの双眼装置付属の20mm66度ワイド)で地上風景を試しました。セレストロンのアイピースは小生の近視ではピントが出ませんでした。

どのアイピースも、LV10mmと同様、レンズレス・シュミット・ニュートンの方が純ニュートンよりも周辺像が自然で、スッキリ見えると感じました。

あくまで地上風景での印象であり、星の場合は、異なる結果になりうると思いますが、地上風景では、LV10mm(バローの有無問わず)及び高橋オルソ18mmと7mmが相性が良さげと感じました。

 

なお、接眼部の構造や小生の強い近視のため、ピントが出ないので、アイピースにスポンジを巻いて31.7mm径のピント調節パイプに押し込むという暴挙に至りました。

 

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おまけ

SV305の装着を試行

 

ピントがあと少しで合わないので、ネジ式のピント調節パイプを外し、これまた、CMOSカメラをスポンジで接眼部に固定するという暴挙に至りました。

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SV305を極力隙間なく固定するため、アルミの狭いリングを作ってはめました。

 

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SV BONY SV305のフィルタ装着

SV305(光学ウィンドウ除去済。撮像素子むき出し、完璧ノーフィルター状態。)

過去記事 今日も全力GTi:SV305君 

いろんなフィルターも装着できます。

UV/IRフィルターの場合

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Quad BPフィルターの場合

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とても危険でほこりも付着する完璧ノーフィルター状態:

長時間このままは絶対にいけません。

延長筒を付けてフィルター付けるとか、顕微鏡カバーガラスで塞ぐとか必要。

サランラップも試しましたが、剥離剤油脂が塗ってあるようで、凹凸があり、平面性に問題がありました。

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完璧ノーフィルター状態だと、接眼パイプ無しなので、突き出しによる光路遮蔽はゼロです。

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Quad BPフィルターはギリギリの高さになった

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ノーフィルター状態SV305試写

赤道儀状態だったので斜め

純ニュートン200mmF4直焦点状態です

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チップスター紙筒内面:黒い紙を入れたけど、もっと真っ黒くしたいなー

 

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SV305 Quad BPフィルタ試写:7月11日、一瞬の薄雲越しの月:純ニュートン200mmF4直焦点

(レンズレス・シュミット・ニュートンにはまだしてないときの写真です。)

色無調整。眠たい画像。雲の影響だけではない感じ。収差か。多層膜コーティングか。

フィルターの位置か。

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ウェーブレット処理かけてみる。

ハッブルの最初の頃の収差でぼやけた画像を先鋭化する気分?

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星でいろいろ試したいので、空が晴れて欲しいです。

(了)

 

2020年5月15日 (金)

フリーストップ電動追尾:Sky Watcher AZ-EQ AVANT

これなーんだ? (^^)/

今回もプチ改造。自己満足、自己責任、労多く経験値は上がったが益少なかった体験談です。

推奨ではありません。

良い子は真似しないでね。(^^)/

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右側は不織布製?(ゴム?)の、もともと使われていた柔らかいスペーサーリングです。

左は岩田製作所さんに注文したステンレス製の品です。

 

 

Sky Watcher AZ-EQ AVANTプチ改造

目標1.スーとスイングさせてピタッと止まる、いわゆる「スーピタ」感を醸成する。

以って、シルキーなフリクションでフリーストップなナイスな赤道儀を目指します。

 

この機材は、不織布?(ゴムシート?)製のスペーサーリングの弾力性に対し、ベアリングとクラッチ機能の双方の機能を任せていました。

これは、AZ-GTiも類似の思想と思います。(巨匠Lambdaさんの過去記事

過去の小生インプレッション記事のように、価格からすればとても剛性が高く、お気楽な良い機材です。

しかし、クランプを緩めた時の摺動開始・停止において、過渡的なキュズズッという振動を伴った急発進や急停止の不快感を小生は感じるようになりました。



目標2.快適フリーストップ恒星時追尾

小生は、これまで、一旦クラッチを切って手動微動で位置合わせ、その後またクラッチ接続、というオペレーションを結構行っていました。

しかし、小生の個体では、クラッチ繋いでも追尾が1分30秒くらい始まりません。その間に位置もずれてしまいます。

不便でした。

減速ギアボックス系のバックラッシュや剛性不足のためと思います。

なので、クラッチ繋ぎっぱなし、追尾モーター動かしっぱなしの状態で、手動「スーピタ」で天体へスイング、シームレスに恒星時追尾へ即移行、という運用を狙います。

 

今次の結果的改造ポイント:

極軸のみステンレス製スペーサーに交換。赤緯軸は、もとのスペーサーに少量のグリスを塗ったものを再使用。

スペーサ2軸分2枚購入したけど、1枚余ってます。

 

改造後の運用風景 

2020.5.13未明 月と接近した木星を見上げる。

右手で円盤状のクランプ2枚を調節しつつ、鏡筒やウェイト軸に手を当てて目標へスイングさせる。 

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上の写真の状態では、アップグレード・キットのモーターは回転させっぱなし。クラッチも繋ぎっぱなし。

クランプ強さを適度に加減しつつ、鏡筒やウェイト軸を握ってスイングすると、慎重にやると、3分角くらいの誤差で、「スーピタ」で簡単に木星導入できました。しっかり固定したければ、クランプを少し増し締めします。

クラッチが常時接続なので、追尾移行は快適です。

対象天体への接近方向によって即時性に少し違い(西側から導入ならば、追尾開始遅れほぼゼロ。逆方向は、数秒遅れ)はありますが、ほぼシームレスに追尾開始します。間違って赤経微動ハンドルを指で回さないように注意します。

精密に視野中心に合わせたいときは、少し先回り位置に止めて、モーター電源を切り、求める位置に星が来たらスイッチ入れると、完璧です。赤緯は、全周微動を指で回して快適に精密に位置合わせできます。

 

 

木星:

2020.5.13未明

この位までなら、比較的容易に導入できました。

ファインダー用アイピースです。

倍率40倍くらい。iPadでコリメート法

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月:

明け方に近づくにつれ、晴れ間が出る。茨城県は霧が多い。

撮影条件同上

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改造過程

1.極軸。

不織布?製に替え、ステンレス製のスペーサーリングを載せたところです。

もともとの軸の旋盤加工の形状から、少しリングに浮き隙間が出たので、仮組して回転を繰り返し、落ち着かせる修正が必要でした。

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2.スペーサーの下側、土台です。

最終的には、ウォームとの間には、グリースと黒鉛(シャープペンシルの芯を削った粉末)を塗り、回転させ馴染ませたうえで、ほとんど拭き取り、滑らかさとストッピングパワーの妥協を図っています。

どちらかというと、滑らかさ重視のセッティングを選択しました。

試行錯誤したので、傷がついてます。ステンレス製スペーサー側にも実は傷がつき、物性詳しくないのですけど、ステンレスの共晶や不純物等の効果によるものかもしれない予感がします。黄銅や純銅製を注文するべきだったかもしれません。(次回は・・・・とまた妄想してしまいます。)

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3.ウォームホイールを載せます。

グリス跡(3つの小丸)は、筐体との間の3点の摺動チップの跡です。

 

構成要素の各所合計10回有余のいろんな潤滑方法やスペーサ組み合わせ(2枚重ね含む)で試行錯誤しました。

機材部品は傷だらけ。でも、やってみたかったのですよ。我が道変態の小生は。(*^^)v

 

その結果、今は、ウォームホイールとステンレス・スペーサを、接着剤で軽く2点止め一体化(将来の再改造も見据え、弱い接着。)しています。

極軸スペーサ潤滑は、ごく僅かなグリスと黒鉛粉末です。動きが悪くなったら、また開腹調整しましょうかね。気温変化や経時変化があると思います。

 

また、赤緯軸スペーサも、一旦ステンレス化しましたが、シルキー感が得られませんでした。

開腹すると、片持ちフォーク形式の応力分布によるものでしょう、
金属面に偏った傷が発生していました。

潤滑工夫しても問題がクリアできませんでした。

そこで、不織布に戻して、グリースを少量つけて試したところ、存外良い感触だったので、これにしました。

なお、AZ-EQ AVANTは、AZ-GTiと異なり、極軸も赤緯軸もほとんどのパーツが共用で、合理的な設計です。

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4.上にかぶせる筐体です。

テフロン製?と思われる、白い円盤状チップが、スラストに耐えつつウォームホイル上を摺動し、同時に鏡筒・ウェイト・筐体全体の質量を保持する構造です。

結構硬そうな樹脂で、クランプを締めると、樹脂の割には意外と回転軸に剛性を与えます。

そうはいっても、やはりLambdaさんがかつてご指摘の、AZ-GTiのいわゆる謎構造に通じる点と思いました。割り切りの設計思想。

小生としては、ここには、薄いローラーベアリングを奢って欲しいものだと感じました。

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5.リングネジ調節

筐体をかぶせ、リングネジを適度な高さにして、横のイモネジで締めます。筐体がゆるく回転するくらいに調節しました。

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6.ストッピングパワー調節

黒い円盤状のクランプは、軸のネジを通じて、筐体と土台の間にスラストを与え、全体を適度に固定しつつ摺動も許容する構造です。

小径ローラーベアリングが1枚入っており、回転を逃がすので、クランプを回しても、筐体が引きずられて回転したりすることはありません。

きつく締めると、ストッピングパワーも増しますが、極軸回転も幾分渋くなり、超小型微動モーターでは苦しくなります。

 

 

 

7.私は今日も何をしているのでしょう? しばし休憩しましょう♡

やまぼうしの花が咲きました。お日様に向かってるう♡

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8.組上げた雄姿です。

丸付き数字は、これまでに手を加えたなど、思い出のある個所(これで全部ではないですけど)です。

我ながら、変態です。

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①鏡筒バンドにハンドドリルとドライバーで穴をこじ開け、各種アクセサリをネジで固定できるようにした。笠井さんの正立ファインダーは、good

②モータードライブのスイッチが暗いと見えないので、白く塗った

③モードラのクラッチが小生の誤使用により不調になったので、分解修理

④ウォームホイールとウォームの噛み合わせ調整(両軸とも)

⑤極軸スペーサリングを不織布製からステンレス製に交換、潤滑に工夫し、剛性と回転のシルキー感を幾分両立

⑥赤緯軸スペーサーリングにグリスを塗ってかなりシルキー感のある回転にできた。当然ながら、赤緯軸剛性は改善していない

⑦赤緯表示目盛り(百円ショップの分度器2枚使用)及び赤経時角手書き目盛りテープ貼り付け(skysafariでいろんな角度表示が得られるので、案外導入できました)

⑧雲台上下動軸の剛性強化(元の樹脂製ワッシャーを、適正な厚さの自作アルミ製ワッシャーに交換)

⑨⑪ハーフピラーの上面・下面を、水ペーパーで平滑に削り、ネジによる固定が緩みにくくした

⑩ハーフピラーと金具が不慮の回転をしないように、3本の接続固定ネジのうち1本分について、しっかりネジ留めされるように、ハーフピラーに一つだけ掘られていた小さなネジ頭引っ掛かり用凹みを、もっとしっかり掘った(手工芸用小型ルータ使用)

三脚パイプ接続金具の隙間を、適正な厚さのアルミ製ワッシャーで埋めるとともに、ネジの樹脂製ワッシャーをステンレス製のものに替えることにより、剛性をアップ。なお、面倒なので、今回は、セメントによる複合素材化は見送っております。 

セメント、エポキシ系接着剤、アルミニウムの複合素材結合による、剛性・音響損失増加

⑬低反発スポンジを積層接着し、ハサミで3D成形し、2インチアイピース用の巨大アイカップにした。なかなか良い。鼻梁に合わせた切り欠きが必要である。

⑭星まつりで入手したダイアゴナルミラーをFC65鏡筒に接続。ピントが出るように、スターベース東京で実地で適合パーツ購入。さらに、金属リングスペーサを3枚重ねて、ミラー部筐体と延長パイプとの接続深さ調整に使用。

 

⑮改造ではありませんが、テレビューの32mm2インチワイドアイピース。30年以上前、米国出張中にたまたま西海岸のお店で見かけ、「これがテレビューか!」と喜んで良く見ずに購入したが、日本に戻ってから japan刻印に気づいた思い出の品。

 

10.気づき

〇全体として、かなり剛性は高くなったと思います。しかし、振動のエネルギー損失が不十分なのかもしれません。剛性と損失は別。

叩くと、数Hzに共振があるようで、星が振動し、収束に3秒くらいかかります。Q値を低くするには?

 

〇構造上、赤道儀状態では極軸が傾いているので、クランプを緩めると、僅かに回転軸が下に傾きます。

より滑らかなスーピタのためには、クランプを緩めて星を導入し、決まったらクランプを締める、という運用になってます。

1割くらい価格が上がっても、スラストローラーベアリングを追加して、解決できないのかな、と思いました。

自己改造では、薄いローラーベアリングであっても、入れる余裕は無いように見えます。

 

〇今回の小改造で、少しは「スーピタ」良くなったと思います。シルキーまでは行きませんが、木綿くらいにはなったと思います。

しかし、大きな改善ではなく、自分的には不満足です。今後も妄想トライかね?(^^)/

 

 

おまけの写真群

 

小生の唯一の2インチアイピース固定風景

with岩田製作所製リング

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積み重ね順序記録

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このスペーサーが問題だよね

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2020.5.13 明け方の月

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2インチ径32mmアイピースで見た月:iPadコリメート

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(了)

 

 

 

 

2020年2月14日 (金)

Sky-Watcher AZ-EQ AVANT ファースト・インプレッション

以下の記事は、あくまでも小生の短期間の個人的経験と感想です。

分解・改造は自己責任です。

また、機材の性能には固体差があると思います。

 

 

2月6日、天気晴朗。 

宅急便が到着しました。乱筆乱文します。

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組上げると、こんな感じです。

(三脚とハーフピラーは、以前から使用してるものです。)

Sky-Watcher AZ-EQ AVANTとアップグレード・キット。

FC65にジャスト・フィット。1/4インチねじ1本でも十分固定。

結論から言うと、スコープテックさんのゼロ(星祭りで試作品を拝見しました。)が、とても強く滑らかで隙が無く、物欲モリモリ感じるのに対し、AVANTは、それとは違った消耗品的でシンプルなベクトルを持つ魅力的な商品と思います。天文ファンの裾野を広げるのに役立つのではないでしょうか。

 

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アップグレード・キット

こんな風に付けます。恒星時駆動のみ。

北天用、南天用切り替え兼用の電源スイッチがあります。

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クラッチ部です。

ウォーム軸とのずれを吸収する継ぎ手も使われています。よくできてる。

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片手でクラッチの接続・切り離しができます。

手動微動は、クラッチを解除しても、なお、ザリザリします。その分、固定はしっかりします。

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クラッチぐるぐるの始末

いい気になって、クラッチがどこまで回るのか、ぐるぐる回していたら、この黒い円筒状部のネジが外れて、なんとしても戻らなくなってしまいました。

あせって全面的に分解して運よく復旧しましたが、良い子は、そもそも小生のように変態的に無茶なぐるぐるをしてはいけません。

後日、取扱説明書を見付けて読むと、注意するように記述されていました。取説は、あまりスキップせずに読むべきですね。

 

余裕がなくて、分解写真はありません。

中にワッシャー状のクラッチが隠れていました。

 

箱の中

なんて小さなモーターと減速ギアと回路なのでしょう!

時計のムーブメントみたいです。

これが一生懸命、小人のように箱の中でお仕事します。

これに比べると、AZ-GTiが力持ちの巨人に見えます。

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おまけに、小さなロータリー・エンコーダーもあります。

単三電池の直径と比較してください。

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単三電池2本で駆動。非力なのは否めません。

 

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箱の外面

モジュラー端子もあります。AUTO GUIDEと表示があります。

駆動中は、モジュラー端子横の赤いLEDが2秒おきくらいで点滅します。輝度は低いです。省エネですね。

一晩のうちに、駆動が止まり早く点滅することが2度ありました。これは、過負荷や今冬いちの低温による電圧降下のためのように感じました。

(小生には当初モジュラー端子の使い方がわかりませんでした。しかし、後日、取扱い説明書を見ると、ST4互換端子と記述がありました。やはり、スキップせずに取説は読むべきですね。

後日、この端子を使用して、はじめてon cameraでノートPCで1軸PHD2オートガイドを試しました。何の問題もなく作動しました。RA軸のグラフのRMSは、3秒くらいで、こころもちAZ-GTi赤道儀モードより荒れる感じでした。使用カメラは、QHY5LII-M、安価なFL50mmのCCTVレンズでした。)

 

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極軸体の裏面

こんな感じ。

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2本の黒いネジは、赤緯体を極軸体に固定するもの。

その横の小さい黒い穴は、ウォームのホイールとの隙間を調整するネジ。両軸ともある程度調整可能です。

AZ-GTiのようなウォームを圧着するバネは存在しません。

2月15日訂正:調整ネジの中にバネが組み込まれているのを発見しました。これにより、ウォームがウォームホイールに圧着できる構造になっています。

(下の写真の、頭の球が内部のバネで外へ向かって押されている構造。)

 

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雲台と三脚は、丸い黒い板のあたりが異なりますがを除き、スカイメモS型雲台とほぼ共通です。スペーサーの厚みが不足で、隙間があります。そのうち、改善したいです。

(後日、雲台の高度調整部分のスペーサを自作交換しました。

合成樹脂製0.5ミリ厚及び0.2ミリくらいの厚各1枚に見えました。

小生の場合、アルミ1ミリ厚1枚及び0.2ミリ厚1枚のものを作り交換しました。)

(過去記事 スカイメモS型雲台全金属化、 

三脚スペーサ

 

 

ウェイト及び軸

ウェイトは結構質量(2.2KG)があり、自分には十分です。

また、軸には、ウェイトの抜け止めがあり、安全に配慮されています。

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ファーストライト(Pモーション)

2月7日2AMころ、ベランダでピリオディック・モーションを撮影してみました。

64分間の軌跡です。30秒露光で30秒インターバル。

FC65直焦点、マルチフラットナー1.04使用。ニコンD7100。

同一機材でのトラペジウムを張り付けておきます。

ひとつだけめちゃ明るい星は、スピカです。

振幅は、安定してプラスマイナス30秒くらいでしょうか。なかなか良いと思いました。

周期は、4分のようです。歯数が122枚となっていますが、それとは異なる周期です。理由は不明です。

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印象

クランプ系

クランプの機構がとても良い。

クランプを締めると、剛性が極めて向上する。AZ-GTiよりも高剛性で、優れている。

極軸クランプをきつく締めると、剛性は高まるが、副作用として、軸回転が渋くなる。モーターのトルクが不足し、停止することがあった。

 

駆動系

ウォームホイールとウォーム間のバックラッシュはある。調節ネジで隙間を少なくできるが、抵抗が大きくなり、ついにはモーター回転が止まってしまうことが発生したので、小生は、今は緩めにしています。そのうちギアが馴染んで改善するかもしれません。

クラッチは、ザリザリしますが、固定力は十分です。

アップグレードキットを付けた状態では、手動でウォームを回すと、赤経軸は、ザリザリとかキーという音がして不快な場面がありましたが、価格とこのコンパクトさを評価すべきと思います。赤緯軸微動は、そこそこの感触。

3ボルト駆動で回転パワー不足は否めず、重量級の機材や重量バランスの悪い機材は不適当と思います。

電池寿命は、アルカリ乾電池の場合、一晩くらい。

ハーフピラーを同時購入した方が、衝突しにくく、良いです。

ST4モジュラー端子で、1軸オートガイドは問題なく作動しました。

 

写真耐性

なかなか素直なピリオディックモーションではないでしょうか。

極軸を合わせることができれば、広角レンズで短時間露出多枚数撮影であれば、ノータッチガイドでもそれなりに撮影できると思います。

1軸オートガイド可能で、極軸をちゃんと合わせられれば、そこそこ使えます。

 

家族特性

軽量です。下の写真の眼使用の組み合わせで、9.7キログラムです。そのうえ、高剛性。

AZ-EQ AVANTは、その名の通り、経緯台と赤道儀双方を考慮した融通の利く設計です。AZ-GTiは基本的に経緯台なのに対して、クランプや軸の構造が異なるようです。(分解してないですけど。)

家族で、小型鏡筒を軽快豪快に振り回して、自力で明るい天体を接眼レンズに導入できそうで、楽しいと思います。

アップグレードキットのクラッチを切れば、モーターを回しっぱなしにして、いろんな天体を巡れます。

AZ-GTiが、自動導入、両軸エンコーダ、オートガイド、カメラコントロール、更には、プレートソルビングへの拡張性といった、ほとんど何でもお試しできるのに対し、AVANTにはシンプルさという他のベクトルの良さがあります。

アップグレードキットと広角レンズで、そこそこ手軽に家族で星野や写真を試せると思います。

子供たちにとって、やがて、もっと高度な星や機械や物理の世界へのゲートウェイになりうるのではないでしょうか。

アップグレードキットも含め、価格相応の構造と思います。操作感が粗雑な面もあります。でも、いろいろ試して、感じて、壊して、そこから人は育つのではないでしょうか。

小生のような変態老人でも楽しめます。

 

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追記:2月11日、プチ改造、星撮影しました。

100円ショップで分度器を買い、赤緯軸の角度がわかるようにしました。

分度器2つを合体させて軸穴あけたものを挟んだだけですが、滑りません。

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赤経軸にマスキングテープで時角を張り付けました。

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1軸オートガイド化

最初は、小生の2軸駆動AZ-GTi赤道儀モードと同じFL50㎜のガイド鏡でしたが、FC65では、30秒露出でも星が変な形になりました。

そこで、ガイド鏡筒を、50mmから130mmに替えました。その結果、赤経軸RMSは、約3秒から約1.5秒に劇的に改善しました。

極軸をPHD2のドリフトアライメントで良く調節すれば、30秒露出ならば、FC65で成功率8割くらいでした。

ただし、2時間ほど経過すると、極軸がズレて来るのか、どこか捻じれるのか、星像が許容できないほど流れるようになりました。

 

ガイド鏡装着状況

カメラ重量でボトムヘビーなので、対物レンズカバーにありあわせのものをウェイトとして張り付けてます。

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オリオン座M42中心部を撮る

FC65で撮影。オーバーサンプリング処理した画像に、以前セレストロンC5で撮った部分も比較として切り張りしておきます。

露出時間等の条件は異なりますが、どちらも似たような解像だと思います。

色に違いがあります。FC65は、C5に比べて、星周辺に色が付きます。

Fc65_c5_hikaku

2020.2.11

FC65 FL500mm F8 マルチフラットナー1.04使用

nikonD7100無改造 iso200 露出30秒×64コマ(32分)

角コマ300%オーバーサンプリング後に加算平均

弱くウェーブレット処理入れてます。

自宅。月が明るいです。1等星しか見えません。

 

セレストロンC5切り張り部分

2019.11.21

FL1250mm F10

nikonD7100無改造 iso800 120秒1コマ

オーバーサンプリング処理無し

筑波山付近

 

オーバーサンプリング処理の効果比較

上段:上の写真のFC65オーバーサンプリング処理画像の部分拡大

下段:FC65 30秒露出1コマの拡大(1コマだけなので、かなり露出不足です)

Hikaku

オーバーサンプリング処理すると、滑らかにはなりますが、画像データが大きくなって、小生の機材やアプリでは処理に限界があり、トリミングせざるを得ない欠点があります。

 

(了)

 

 

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