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FC65

2023年12月25日 (月)

2023年、天文ちょっと振り返る

2023年を振り返ります。

0.今年もありがとう、機材さん達。

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以前2022年サイトロンジャパン写真コンテストの賞を使って購入したMAXY60。高解像。

架台は、ベランダ用改造AZ-EQ AVANT

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TANZUTSU嬢。個性強し。

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レンズレスシュミット化NEWTONY君。改造で、球面収差、コマ収差感じません。

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テレスコ工作工房、青い微動雲台。DSP2023で入手。現在は、これをちょっと改造してガタを減少させています。

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1.(単なるご参考)架台導入と非推奨自己責任改造(SkyWatcher Star Adventurer GTi)

分解改造すると不保証です。ユーザーによる分解組み立て想定していない構造だと感じます。

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極軸を伸ばしました。左から、木製試作、迷人会工房様試作版、迷人会工房様製作「深々お辞儀君」

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極軸望遠鏡除去、コード延長、テレスコ工作工房様のユニバーサルベースに交換、等々

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子午線通過後20度くらいまでだった可動域を拡大しました。南向きベランダで、メリディアン・フリッピングをあまり気にせず運用できます。

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https://twitter.com/m87_jet/status/1629633026945851393

 

安価でシンプル、いろいろ使えるSA-GTiを1月に販売開始即ポチリました。例によって直ちに自己責任改造しました。ライブスタックがほとんどです。ライトな自分にとって使いやすく良い機材です。極軸調整がとても軽く快感。有線もWiFiもbluetoothも使えます。唯一、ディザーするにはちょっとバックラッシュ大きいと感じます。

AZ-GTiと較べて(較べるなっ。)赤道儀としてはずっと優れていると思います。

写真追及するマニアには、価格が上がりますが、より進化した、ステッピングモーターとハーモニックドライブの組み合わせが一般化しそうだな、と感じます。バックラッシュがほぼ無く反応の時間遅れが僅少だからです。大きめのピリオディックモーションは、オートガイド等のデジタルな制御と相性が良く、対応できると思います。同じ潮流で、さらにその次は、ダイレクト・ドライブ化でしょうか。今後はBTX AI4などで写真の処理は変わっていくかもしれませんが、基本性能も大事と思います。

一方で、クラシックでノスタルジックな機材も心地よくカッコよいなと思う自分がいます。

なお、これまでのAZ-GTiは、ジャンクを修理したりして、3台に増殖しました。多すぎ。でも人工衛星を追尾できますし、なんといっても軽量便利。

 

SA-GTi使用、明るいベランダでの撮影4枚。どれもライブスタックです。

西村彗星、FC65, ASI533MCP

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M33, セレストロンC5, ASI533MCP

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M1, セレストロンC5, ASI533MCP

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M27, セレストロンC5, ASI533MCP

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2.DSP2023の世界(5月)

DSP2023は双望会の流れを汲むものと思います。素晴らしい眼視の世界でした。場違いな小生でありますが、初めて参加させていただけました。眼のキラキラした造詣深い有名な皆様と、あまりにも工夫洗練された機材にワクワクでした。この世界が壊れず大切に残されるべきであると同時にこの世界を楽しむ層がもっともっと広くなって増えればよいな、と思いました。

いろいろな方の素晴らしくチューニングされた機材で、超絶高精細な太陽面を観望させていただけました。(夜は残念。天候いまいちでした。)津村師は皆にいろいろなご経験を伝授されていました。初めてリアルお会いできました。

すべての 運営の方々に感謝です。すばらしいプログラム盛りだくさんでした。双眼病にも感染しました。また、ラッキーなことに超新星SN2023ixf(前日に板垣公一さんによって発見)を教えていただき、撮影できたのも思い出です。

若い方々や女性も参加されていました。皆さま意欲的で素敵な方ばかりです。天文の裾野が広がれば、そこから何パーセントか、マニアックで素敵な新世代が生まれてきて、もっと遠くまで伸びていくのだと思います。そういう方々が増えていって欲しいな、と思いました。

津村師、超速ドブ組み立てを実演するの図

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元気! 〇見屋店長さん、初参加の方々、それを優しく?見守る主催側KさんHoshiimg_9611

 

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FC65, SA-GTi, 僅かな雲間にASIAIR極軸合わせ無し、ピント合わせ無し、無理矢理プレートソルブ導入

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3.胎内星祭り(8月)

星祭りは楽しく、貴重です。続けて欲しいです。ほんのちょっとですが運営事務局にカンパしました。

巨大有名66センチメートルドブソニアンのHさん、彗星撮影達人のWさんともお会い出来ました。津村師のご著作を入手できたのがとってもハッピーでした。天文リフレクションズ編集長様はじめ、Twitterなどで存じ上げていた方々ともお会い出来ました。ほんまかさんのブースにも伺いました。トミタさんPlaneWaveの動作を見ました。静か、高速。次世代が見えました。SVBONYさんのブースでは、ほんの僅かでしたが、他の方々と共にお手伝いさせていただきました。

最初の晩は、深夜少し晴れて、光軸が合った大きなドブソニアンとクリアな接眼レンズで、いくつかの星団や木星を楽しませていただけました。翌日は、余りにも暑くて体調不調。一晩で先に失礼しました。(健康は大事です。小海町星まつりは今年は不参加。来年こそは・・・)

 

お店いっぱい、熱い新潟県

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望遠鏡エリア

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津村師ご著作とブラックパンダさんのところで購入のアクロマートレンズ

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九州からはるばるTOMITAさん

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ほんまかさんの奥様作の花飾り。可愛らしく、妻へのおみやげにしました。

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参考:6月に行きました。ほんまかさんの群馬県赤城山のSS-Oneショップ。首都圏から仕事後にすぐ行けて機材試せる斬新なコンセプト。

新機材も開発連発、凄いです。

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4.丹羽 雅彦 氏 個展「時空を超えた贈りもの - 宇宙は不思議で美しい -」

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7月末、丹羽雅彦さんの作品展を拝見することができました。これも新しい潮流だと思います。時空の彼方から到着する光子の荘厳さに感激。


氏の物理現象への深い理解と同時に、独自の審美眼を感じたように思います。

別格のクオリティでした。敢えて星を消してモノクロ化した作品に端的にみられるように、強い自己主張があるのに、全く破綻が感じられません。宇宙空間に在る荘厳かつダイナミックな造形を大画面で伝える。それを実現しているのは、①捉えた光子の量・質が段違いであること、②非常に大きなデータを緻密最適に処理していること、③印刷も世界最高レベルであること、④自分なりに再構成しているのに、自然な画面にまとめる稀有な御才能・御感性、だと思いました。

大局的造形だけでなく、映り込む小さな小さな銀河にまで、しっかり可憐な美しさと愛情があるのです。投入された技術、コスト、労力、センスは、尋常ではないと思いました。

1000年後の未来には、2023年ころの重力の底から宇宙を見上げていた時代の宇宙芸術作品として美術館に展示されているのではないか、と思います。

 

5.双眼鏡

小生の双眼鏡は、キャノンの防振装置付きのものです。口径36ミリアクロマート12倍。けっこう色収差や非点収差を感じます。自分の眼球も悪いですしね。

口径を21ミリ程度に絞ると、光量は減りますが、光学系・眼球による収差がぐんと減少します。そのため、光量が大きい月面と木星ならば、程よい明るさでおどろくほど解像良く見えます。眼の劣化のため月面見るとモジャモジャが強くなりますが。若い眼のうちに見てね。

国際宇宙ステーションは、金星のようにとてもまぶしいです。なので口径を13ミリ程度まで絞ったところ、なんと太陽電池パドルが1枚判別できました。中国の宇宙ステーションも、点像ではないことが分かりました。

高倍率ですと視野内に導入維持するのが難しいですが、ISS観望は、高倍率防振双眼鏡の新しいチャレンジのひとつではないかと思いました。ISSは頭上近くを通るときは、木星の視直径くらいの大きさに見えますので、防振できればなんとか形状が分かります。2030年に運用終了、翌年大気圏へ、という予定みたいです。見るのは今のうち。

この双眼鏡は、数年前の天文再開時に購入したものですが、表面のゴム被膜が加水分解してねばねば不快になりました。機械は正常なのですが。そこで、ツイッターなどで教えていただいたように、無水アルコールで拭きし、さらにヘラで削ぎ落とすことでかなり除去できました。もっと経年変化に強い材質・構造にして欲しいと思いました。安くはない機材です。

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6.二重星

空の明るいベランダ観望では、二重星が、眼視・写真ともに楽しいです。SynScanProは二重星リストで導入しやすいです。

シリウス SV305,セレストロンC5直焦点, SharpCap動画を処理

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おひつじ座エプシロン星:木星とサイズ比較

asiair, asi533MCP, セレストロンC5

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7.月面ミネラル・カラー

彩度を上げると、模様が見えます。地質の違いが感じられて新鮮。飛沫の飛散や溶岩?を感じます。

しばらく使わなかったSV305ですが、ピクセルピッチが2.9μで比較的小さく、SharpCap4.1でser動画撮影でsharpnessかけたり、RegiStax使ったりしています。2倍再サンプリングやウェーブレット処理で解像感も高めています。なお、つい最近、SharpCap4.1自体にもミネラルカラー強調機能が実装されたみたいです(未検証)。

コペルニクス

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アリスタルコスを青っぽく処理。左上のひし形部分はやや茶色を帯びます。

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8.ソフト・機材の激しい進化・競争

SharpCap4.1の進化がすごいです。最近は、SharpCap4.1利用が増えました。SharpSolve(=プレートソルブ機能)を最初から実装。惑星(月面)ライブスタックにウェーブレット処理など実装で高精細。もともとASIAIRよりも広い動画が撮れる。彗星核追尾。月面ミネラルカラー等々。毎週くらいに頻繁に修正・機能拡張しています。SharpCapは多機能で、調整項目が多いです。

他方、ASIAIRも、テストフライト版でSONYミラーレスへの対応。FUJI機への拡張も見えているような。対応架台も増える? 

AstroArtsはステラショット3とGearBoxが進化中みたいです。

SS-oneショップは、YouTubeで拝見していますと、機材のEQ-MOD対応やCMOS CAPTURE V2ソフトなど多方面同時に、ものすごい勢いで未来を見据えて開発中みたいです。

また、SkyWatcherのSynScanProが、Xboxゲームコントローラーで操作できるようになりました。アイピース覗きながらブラインドタッチ便利です。

みんなガンバレー。

ZWO/ASIAIR一強でなく、競争原理が働いてこそ、意欲的な製品が現れ、結果的にユーザーの利益になるのだと思います。

 

SharpCap4.1 木星ライブスタッキングのSharpening & Adjustments機能

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SkyWatcher SynScanPro, Xboxゲームコントローラーで操作できます。アイピース覗きながらブラインドタッチ操作。

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9. リンゴとアップルパイ(SeeStarは星まつりでしか見たことないですけど)

リンゴは、皮ごとかじると、ゴソゴソしますが、生の風味が鮮烈です。RAWでありFITSです。アップルパイを調理したければ、それは自分の技量です。美味しくできるときもあれば、失敗もあるでしょう。独自の味です。自分は、アップルパイはできません。せいぜい、やりすぎ焦げた焼きリンゴでしょう。他方、市販アップルパイは、ベーカリーさんがノウハウ込めたレシピでバターや砂糖、小麦、香料などと組み合わせて加熱、たくさん焼き上げます。元のリンゴの風味はうまく残っています。お店から買ってきて頬張れば、たいていの場合、いつでも安価簡単に「うまー♡」と幸せになれます。星まつりで見たことしかないですけど、SeeStarはベーカリー市販アップルパイではないでしょうか。

自分は自作もベーカリー市販品もどっちも好きです。

皆様、2023年、何かとお世話になりました。良いお年をお迎えください。♡

 

 

ZTF彗星 1月

AZ-GTi、セレストロンC5

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(了)

2021年3月22日 (月)

ISS(国際宇宙ステーション)を望遠鏡で見る:ここ10日間ほどのまとめ

 

0.ここ10日間ほどの、Twitterへの投稿のまとめと補足です。

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1.2021.03.14 AM04:36-04:38 : 雲上を行くISS

この晩は、ベランダで念入りに水平出しとスリースター・アラインメントを行いました。

アラインメントが良く取れたのでしょうか、格段にトラッキング精度が上がりました。

補正無しで最初から最後までアイピース視野内にとどまりました。小生の機材程度で可能になるとは、時代の進化だと思います。

眼では感じない暗い状態から、CMOSカメラには写っていました。

twitterの記事はこちらです(動画)

Youtube動画はこちら

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2.2021.03.14:  印象の御絵描き

印象の御絵描き添付します。

幾多の方々による素晴らしい写真と異なり、絵画の正確性はとても怪しいです。

視神経・脳による事象認識は不思議です。が、それが良いところでもありましょう。

小生は、当面は、生の記憶を脳裏に、心に、留めたいのです。

 

20210314iss

残念ながら雲が多く、細かい形状は確認できませんでした。

しかし、高精度の機材でうまく調整し、惑星撮影の技法を応用すれば、高解像写真撮影が期待できると感じました。

ただし、経緯台であるため、天頂付近の美味しいところは追尾できない限界があります。

 

3.パレット並走

3月13日ころ、ISSから不要になった補給艦パレットが分離されました。(やがて大気圏に突入するのでしょう)

動画の中に、雲の合間にほんの3秒間ISSと同方向へ飛翔する光点(添付写真左上端に微か)が認められました。分離されたパレットでは、と思います。
(小生twitter動画は編集で切れて残念ながら入っていません(^^;  )

小さな光点はかなり先を飛翔しており、CMOSカメラの画角に最初は入っていませんでしたが、遠ざかっていくにつれ、画角に入るようになったのだと思います。

今後、人員交代や物資補給の際、並走の追尾観望が楽しめそうです。

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4.AZ-GTi経緯台モード、何だかいろいろ動かしてみる

有線制御、無線制御、iPhone画面をPC画面にミラーリング、

レグルス導入、プレートソルブ

SharpCap,Caltes de Ciel

SkySafari,SynScanpro

ApowerMirror

PreviSat, Satellite Tracker,

ASIAIRpro

Test11

 

5.2021.3.17 :ケーブル・スパゲッティ

眼視印象の絵図:ISS西から東へ

最大高度40度くらい

倍率約30倍タカハシFC65

追尾開始1分前になぜかASIAIRproとAZ-GTi電源落ち。リセット、またも大慌て。半分失敗。

LANも含め全有線化したスパゲッティが原因か?

(機材不調の後日談:12ボルト電源とASIAIRproの受電端子の接続不良だったと思われます。思いもよらぬことでした。他のケーブルに交換したところ、改善しました。

熟成していない高機能化、複雑化は、信頼性が低下するものだと改めて感じ入りました。)

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6.2021.03.18 空飛ぶマンボウ

機材が重く、まだ早い時刻であり、2度に分けて運搬するのですが、その間にいたずらされたりしないように、偉大なる奥様にリチウムイオン電池を運んでいただきました。

更に、小生は老化のため、このごろ特にトイレがこらえきれず、SOS電話し、自転車で機材見張り出張応援をこれまた奥様にお願いいたしました。

更には、機材撤収でも協力してもらいました。ありがとう。

いつものことですが、もはや、今まで以上に頭が上がりません。

 

今晩のISS

雲多し。ごく短時間かろうじて視認。昨日の方がずっと良く見えました。

ASIAIRpro、ルータ絶不調につき、シンプル構成で眼視only。

シリウスでワンスターアライメント。追尾スタート誤差1度。

SatelliteTracker, SynScan

ノートPC

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7.2021.03.19: 初めて色彩を感じる

今晩のISS御絵描き

西側にいるときに、太陽電池パドルが暗い褐色なのに初めて気づきました。感激。

やがて全面まばゆい黄白色に変貌。

シンプル確実のため、昨日と同じくPCからのUSBケーブル1本だけ。

 

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掩蔽について

この晩は、ISSが日本を縦断し、月を掩蔽する日でした。コースはかなり北なので、今回はパス。

素晴らしい熱意と蓄積と技量と機材の方々が、ど迫力の掩蔽映像をネットに掲載されております。

小生のような青二才とは異次元の素晴らしさです。

PreviSatのフランスサイトからダウンロードした正式版を用いることにより、太陽・月掩蔽の予報も、PC上はできました。しかしながら、精度は未確認です。(衛星トラッキング用のバージョンではエラーになりました。)

そのうちチャンスもめぐってくるでしょう。

 

(掩蔽予報テスト計算の例)

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(了)

 

 

 

2021年1月16日 (土)

M1(かに星雲)を4つの鏡筒で撮ってみる。SIGHTRON QBPフィルター使用。

おおつ! フィラメントがメラメラしてるっ!

セレストロンC5、中央部トリミング

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1.使用した鏡筒はこれら4本です。

全て1.25インチ径の小さなSIGHTRON QBPフィルターを使用。

カメラは、ASI533MCpro(マイナス10℃) 

ただし、NEWTONY君のみは、ピントが出ないのでSV BONYさんのSV305(フィルター除去改造機)を使用しました。

大部分は今年になってからの撮影です。

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2.結果は、これ。

中心部のピクセル等倍スクリーンコピーです。

左から、

セレストロンC5(D127mm FL1250mm)

高橋FC65(D65mm マルチフラットナー1.04付けたので、FL約520mm)

右上 SIGHTRON NEWTONY君、レンズレス・シュミット・ニュートン改造(絞りD41mm FL200mm)

右下 TANZUTSUお嬢(エイコー スカイハーレー)(D76mm FL約600mm,  Jones-Bird 的光学系)

なお、FC65のみ、QBPフィルターなしの画像も比較のために入れました。(ZWOのIR CUTフィルタは入れましたが。)

AZ-GTi赤道儀モード。

オートガイド及び撮影は、ASIAIRpro使用。ただし、SV305・NEWTONYの場合のみPHD2とSharpCapを使用。

共通:ダークのみあり。

加工は、ASIFITSVEWER、YIMG, NIKON CNX2くらいです。

露出設定・時間等いいかげん。1時間から3時間くらいの総露光。

ゲインは

ASIAIRproは100くらい。

SV305は40(最大です)

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3.各々の全体画像も載せておきます。

迫力のC5

QBPフィルタの色が出せたように思います。

FC65に比べ、口径の割には切れ味が若干劣りますが、光量・焦点距離がずっと大きく、最も良く映りました。

 

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4.過剰品質FC65(QBPフィルタ、マルチフラットナー1.04有)

周辺まで星像が引き締まり、色収差もほぼ感じられず、頑丈で信頼感抜群。

周辺部の星がわずかに回転してますが、これは、AZ-GTiの極軸がずれてたためです。

FC65自体は、ほぼ完璧です。

ベランダで北極が見えません。ドリフト法もめんどーなので、滅多にやりません。

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5.FC65(QBPフィルタ無し。ZWOのIR CUTフィルタは付けてあります。)

自然さとフィラメントを同時に出すようにトーンカーブ等、各種調整しました。

AZ-GTi赤道儀モードの追尾が1回だけ大きく乱れましたが、この鏡筒では如実に感じられます。

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6.NEWTONY (レンズレスシュミット改造)

SV BONYさんのSV305は、ノイズを除去する工夫が必要でしたが、びっくりするくらい精細に写りました。

NEWTONYあいまって、画面周辺まで、ほぼ点像です。すばらしい。

過去記事 「逆色ノイズ加算処理の試み:レス改造SV305:レンズレス・シュミットNEWTONYくん」

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7.TANZUTSU嬢

かっこいいです。お手軽です。ビンテージです。

Jones-Bird的な光学系。バーローレンズ?の効果か、周辺の星が伸びます。

レンズレスシュミット化したい気もするのですが、ASI533等の太い缶状のカメラは、大改造なしにはバーロー無しの焦点位置に届かず、このままで眼視中心でよいのかな、と思ってます。

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8.気づきの点

フィラメントがこれだけ映って感激でした。

ASIAIRproは、ビデオモードでピント合わせが容易に出来ました。

ASI533MCproは、小さなフィルターでも実用的です。さらに、暴挙として、FC65とC5では、両面テープでカメラのセンサーウィンドウに固定しました。

TANZUTSUお嬢は、時代を超えた、十分発酵した漬物の味わいです。

光軸を合わせると、C5はかなり星像が改善しました。

FC65は安定して素晴らしい文化財です。多分40年くらい前の中古品ですが。

小型反射の球面鏡の鏡筒は、レンズレスシュミットにすると、結構コマ収差も色収差もなく、球面収差はわずかにありますが、良いと思いました。

AZ-GTiの精度、強度に不足感じました。グラフを見ながらのだましだましの運用でした。というよりも、架台沼でグレードアップすべきなのでしょうけど・・・ね。(^^;)

(了)

 

2020年11月26日 (木)

アトラス彗星(2020M3 )にトライ:TAKAHASHI FC65: AZ-GTi赤道儀モード

0.彗星悶々

夏のネオワイズ彗星は天候に恵まれず、悶々でした。

なので、小さくて暗いけれどもアトラス彗星を茨城県つくば市郊外で激写しました。

前回ブログのおまけで1枚だけ載せましたが、他のも、パラパラ動画含めて載せます。

 

機材:

FC65(500mm F8)(中古)+FC/FSマルチフラットナー1.04×

ASIAIRpro+ASI533MCpro(ZWO IR cutフィルター使用)(gain100,冷却0℃,darkあり。)

AZ-GTi赤道儀モード、ASIAIRproとFL50㎜ガイド鏡でオートガイド

使用ソフトは、ASIFITS View, YIMG, nikon CAPTURE NX2です。

彗星導入は、ASIAIRの画面にSkysafariで得たその時刻の座標を手入力してプレートソルビング導入しました。

しかし、もっと良い方法があるのにぽんにゃんさんのtwitter見てて気づきました。ASIAIRのコメットカタログから、自動導入できるんですね。

ありがとうございました。すばらしいなー。小生は自覚ありますがおまぬけですー。

 

1.彗星核基準コンポジットの中央部:

トリミングすると意外と迫力

(2020.11.18 22:06から3分露光を8枚)

機材の割にけっこう鋭像撮れたと思います。

少し核が上下に動いて伸びてます。露光は3分でも長いようです。

彗星の移動が速く、個々の星が分離しちゃってます。

 

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2.上の1.写真の全体像

短いけれども、尾らしきものが右にあるのを感じます。

小生の場合、手作業なので面倒でした。

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3.中央部パラパラ動画作ってみました。:3分間隔約90分間分(写真をクリックしてもYoutube開きます

美しくできません。

twitterの方が綺麗にgifアニメでアップロードできました。そっちの方が綺麗です。

https://twitter.com/m87_jetの今は上の方にあります

 

処理の流れは、当夜撮影の32コマすべてについて、

fits→ jpg →cnx2でバッチ処理(画像各種調整、トリミング) →gifアニメ → AVI→ youtube

宇宙空間の高速な旅人を感じました。中央部1/3くらいをトリミング(933×700ピクセル)

アップロードむずかしいです。ノウハウが足りません。

youtubeは、GIFアニメは対応していないようで、AVIに変換してアップロードしましたが、オリジナルAVI動画よりも低画質に変換されて配信になってしまいました。

回避方法如何。

AZ-GTi赤道儀モードのオートガイドが東へ少しずつ流れるのも分かります。

オリジナルの動画では、宇宙線のヒットと思われるノイズもたまに見られます。

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4.3分露光の1枚画です

周辺減光未調整の画です。

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5.高速位置移動

前回おまけ掲載のと同じ画像です。エメラルドのネックレスの一部みたい。

高速に見かけ位置が下から上へ移動中(天の北極方向へ)。

3分露光連続した中から、18分おきに1枚、加算平均しました。

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6.雑感

ASI533は高感度です。広帯域で近赤外域にも各色の感度があるので、小生の旧いカメラレンズではノーフィルターだと恒星周囲が広く灰色になり、IR cutフィルタ不可欠な状況でした。

なので、FC65の場合も多分効果あると予想してフィルタ付けてますが、実はまだFC65でのフィルタ有無の比較検証はしていません。そのうちやってみたいと思います。

 

(了)

 

2020年11月20日 (金)

M87JET氏、久しぶりにお出かけする(妙義山、八ヶ岳)

(文中、意見にわたる部分は、M87JETの個人的な見解です。)

 

0.久しぶりの遠征

八ヶ岳方面で、昔からの友人少数名との会合がありました。

新月期で好天、群馬県の妙義山経由で行くことにしました。

2020年11月13日、到着時にはすっかり暗くなり、調べておいたこのへんかなあという駐車場に入って撮影です。

天の川が良く見え、久方振りの大変良い空でした。

何人かの方々が既に忙しく撮影準備中でした。

初めての場所で勝手がわからず、親切な先に到着の方にお手洗いの場所などを教えていただきました。ありがとうございました。

 

機材:小生初めての組み合わせでした。テストです。

FC65(中古)+FC/FSマルチフラットナー1.04×

ASIAIRpro+ASI533MCpro(冷却0℃)(プレートソルビング連動自動導入で快適です。)

AZ-GTi赤道儀モード、ASIAIRproとFL50㎜ガイド鏡でオートガイド

結果は、以下。

使用ソフトは、いずれもYIMGとnikon CAPTURE NX2です。

 

1.あんどろめだ大星雲っ!

クラシカルにこう呼びたいのです。

はみ出る迫力。クリックして拡大してみてください。冷却ASI533すごいっ!

30秒露光を30分間から60分間ほどいい加減にLiveスタックしたものをいくつか加算平均。(総露光120分間)

ダーク有り

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2.M33

宝石箱のように美しい。

60秒露光を10枚Liveスタックしたものを3セット加算平均。(総露光30分間)

ダーク有り

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3.馬頭星雲・燃える樹

古い光学系の非対称な反射が目立ちますが、これはこれで味があります。40年くらい前製造の鏡筒です。

自分としては、馬の首がこんなに良く写ったのは初めてです。

180秒露光を10回Liveスタックしたものを4セット加算平均。(総露光120分間)

ダーク有り

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4.M42付近

180秒露光を5回スLiveスタックしたものを4セット加算平均。(総露光20分間)

ダーク有り

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5.朝日の妙義山

険しい岩山。

カルデラの中央火口丘の名残らしいです。

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6.八ヶ岳、小海町にて

妙義山から会合場所に行く道中、テレスコ工作工房さんに伺いました。これも初めてです。

お店、楽しかったです。新作の微動雲台は頑丈かつ回転もねっとり滑らかでした。

小生はペットボトルホルダーを購入しました。

その日の夜、小海リエックスホテルを過ぎてしばらく登ったところのレストハウスで、観望会らしきものがあるとの御誘いを受けました。

店主さんも、軽トラに40cmドブソニアンを載せて準備していらっしゃいました。

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7.レストハウス「ふるさと」駐車場にて

友人に強引に提案し、夕食後お酒に移る前に、軽自動車2台の車列で爺さんたちは八ヶ岳をブイブイ登りました。

途中、堂々とした角の大型の鹿が道路を横切ります。

満天の素晴らしい星です。

レストハウス駐車場では、天文マニアのグループの方が食事中でした。何台かの機材が展開されていました。

テレスコハウスの店主様も、ドブとRASA(11インチの方かな?暗くてよく確認しませんでした)を準備中です。

小生を含むすこぶる怪しい爺さんたちであるにもかかわらず、グループの方々は親切に笠井の白く美しいドブソニアンなどで火星、土星、プレアデス星団などを見せてくださいました。

また、電視観望も経験させていただきました。我が友人たちは、初めての経験です。

ASI385CMOSカメラと小口径自作屈折(双眼鏡対物レンズご使用?)でリアルタイム動画に近い感じで見えます。

アンドロメダ大星雲とM27(亜鈴状星雲)を見せて戴きました。M27は、色も感じられ、青っぽい鼓の外縁の赤っぽいのも見えました。

僅か2~4秒のリフレッシュレートでも実用になり、驚くべき感度です。ガイド全く無しですが、星が日周運動で線分状になってカクカクと移動していくのが観察できました。

極めつけは、40cmドブで見たM27、土星、プレアデス星団でした。光軸も合っており、光量豊富なスッキリ星像でした。M27をあれだけはっきり眼視したのは、初めてでした。脳内処理で青色まで感じるほどの勢いでした。

天文マニアのグループの方々、テレスコ工作工房店主様、ありがとうございました。

早々に宿泊先に戻り、宴会に移りました。満天の星空や望遠鏡経験に、爺さんたちもそれぞれが感慨を持ったようでした。

 

8.みずがき湖へ向かう途中で・・・

翌日、ストーブ用の薪作りを手伝った後、みずがき湖に向かいました。これまた小生未踏の地です。

道中、カーナビさまのアドバイスで、山道に向かいます。トラクターがそこかしこで農地の土造りを行っています。肥料の香り。

そのとき気づきました。道路標識の矢印に、「川上村」とあるのです。南佐久郡。

そして、山中の丁字路にあったのです。「ISS、44次ミッション、ありがとう、油井亀美也飛行士」という感じの看板が。

そうか、ここだったのだ。氏の出身地。レタス等の産地。

 

最近何冊か宇宙飛行士選抜関係の書籍を図書館で借りて読んだ。その一冊がこれ。自分的にはとても印象的な書物です。

(実務教育出版、¥1600+税)

Img_2128 

 

油井画伯の作品は、以前JAXAつくばの公開日の展示で拝見し、小生はほっこりしたものでした。

このとき、画伯はロシアで訓練中だったと思います。

Dsc00941

 

油井氏は、天文学者か物理学者になりたかったようです。

しかしながら、ちから試しの防衛大受験に合格した日に、諸事情で、他大学でなく、そこにしてくれと言われたときには泣いたらしい。

その後、人生のいくつかの分岐点における選択において、いろいろな人に会い、いつもとてつもなく頑張り、映画のライトスタッフ(音速の壁を突破したパイロットのチャックイエーガーや軍の宇宙パイロット選抜の映画。ライトスタッフ:良い資質)の影響もあったようですが、宇宙に繋がったようです。ISSでは、他の誰よりも美しい星と地球の写真を撮っていると思います。

物理や数学のセンスは、テストパイロットとして、機体の機動飛行特性把握において、運動方程式・流体力学的な理解が有効だったろうと思います。

他方、航空幕僚監部で極めてタフな対米・対内部交渉もこなしたと想像します。

油井氏ご本人も類まれなライトスタッフの持ち主だと思いますが、本人を見つめつつ背中を押したり、結果発表の当日には収入減と3人の子の教育費用を考え、仕事の面接を受けに行っていたという奥様も、相当なライトスタッフの持ち主でいらっしゃるのだろうと推測します。

(なお、NASAのyoutubeチャンネルで見た現在のISS内部の様子では、備品のデジイチと各種交換レンズは、nikon系に見えました。あれで撮影したのでしょうか。また、幼少の氏は、写真ではメーカー不明(昔のケンコー製か?)ですが、反赤をご使用だったようです。信毎おでかけガイド

 

他のJAXA関係者やNHK取材者の著作物によると、米国NASAでの米国現役宇宙飛行士等による当時のjaxa最終10人の候補者への面接では、「あなたはなぜ宇宙飛行士を目指したか」ではなく、「何によって今ここにあなたは居るのか」というようなことをまず問われ、ここに至る生きざまを問われたらしい。(図書館で借りた本やネットで読んだ記憶なので、ちょとあやしい)

小生の5inchシュミカセの蓋には、数年前に秋葉原で入手した、氏のバッジ?みたいなものを張り付けてあります。

Img_2174

 

9.みずがき湖

トイレも駐車場もあり、天体撮影に良いところと思いました。

館内にはタカハシの古い赤道儀など数台が展示してありました。

きのこ蕎麦のシイタケが美味しかったです。りんごをお土産に買いました。

夜には雲が出そうだったので、帰宅しました。中央高速が混み過ぎ。

Img_2160

 

10.おまけ:遠征時の機材など

(機材写真と彗星は、茨城県つくば市郊外で11月18日撮影のものです。)

某L氏や〇ベット氏、〇〇ーチさんはじめ、天文界のご薫陶を受け、ナイトウォッチも取り寄せました。良いです。

Img_2167

 

 

2020M3(ATLAS)彗星、高速移動びゅーん

2020.11.18 22:06から約90分間の移動:露光180秒:撮影した個々のコマのなかから約18分間隔の6枚加算平均

移動方向:画面下から上へ

ASI533のイメージセンサーサイズ11×11ミリ(画角は73’×73’くらい)

90分間で5分角くらい動いている感じ。オリオン座付近にいました。

ASIAIRproのプレートソルビング連動自動導入機能にSkysafariで得た赤経赤緯座標を入力してGo!。

見事に導入できました。

1306_1437_6_3m_a

おそまつさまでした。

(了)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月14日 (金)

Sky-Watcher AZ-EQ AVANT ファースト・インプレッション

以下の記事は、あくまでも小生の短期間の個人的経験と感想です。

分解・改造は自己責任です。

また、機材の性能には固体差があると思います。

 

 

2月6日、天気晴朗。 

宅急便が到着しました。乱筆乱文します。

Img_4079

組上げると、こんな感じです。

(三脚とハーフピラーは、以前から使用してるものです。)

Sky-Watcher AZ-EQ AVANTとアップグレード・キット。

FC65にジャスト・フィット。1/4インチねじ1本でも十分固定。

結論から言うと、スコープテックさんのゼロ(星祭りで試作品を拝見しました。)が、とても強く滑らかで隙が無く、物欲モリモリ感じるのに対し、AVANTは、それとは違った消耗品的でシンプルなベクトルを持つ魅力的な商品と思います。天文ファンの裾野を広げるのに役立つのではないでしょうか。

 

Img_4059

 

アップグレード・キット

こんな風に付けます。恒星時駆動のみ。

北天用、南天用切り替え兼用の電源スイッチがあります。

Img_4036

 

クラッチ部です。

ウォーム軸とのずれを吸収する継ぎ手も使われています。よくできてる。

Img_4046

 

片手でクラッチの接続・切り離しができます。

手動微動は、クラッチを解除しても、なお、ザリザリします。その分、固定はしっかりします。

Img_4068

 

クラッチぐるぐるの始末

いい気になって、クラッチがどこまで回るのか、ぐるぐる回していたら、この黒い円筒状部のネジが外れて、なんとしても戻らなくなってしまいました。

あせって全面的に分解して運よく復旧しましたが、良い子は、そもそも小生のように変態的に無茶なぐるぐるをしてはいけません。

後日、取扱説明書を見付けて読むと、注意するように記述されていました。取説は、あまりスキップせずに読むべきですね。

 

余裕がなくて、分解写真はありません。

中にワッシャー状のクラッチが隠れていました。

 

箱の中

なんて小さなモーターと減速ギアと回路なのでしょう!

時計のムーブメントみたいです。

これが一生懸命、小人のように箱の中でお仕事します。

これに比べると、AZ-GTiが力持ちの巨人に見えます。

Img_4050_20200214154101

 

Img_4056

 

おまけに、小さなロータリー・エンコーダーもあります。

単三電池の直径と比較してください。

Img_4053

 

 

単三電池2本で駆動。非力なのは否めません。

 

Img_4058

 

箱の外面

モジュラー端子もあります。AUTO GUIDEと表示があります。

駆動中は、モジュラー端子横の赤いLEDが2秒おきくらいで点滅します。輝度は低いです。省エネですね。

一晩のうちに、駆動が止まり早く点滅することが2度ありました。これは、過負荷や今冬いちの低温による電圧降下のためのように感じました。

(小生には当初モジュラー端子の使い方がわかりませんでした。しかし、後日、取扱い説明書を見ると、ST4互換端子と記述がありました。やはり、スキップせずに取説は読むべきですね。

後日、この端子を使用して、はじめてon cameraでノートPCで1軸PHD2オートガイドを試しました。何の問題もなく作動しました。RA軸のグラフのRMSは、3秒くらいで、こころもちAZ-GTi赤道儀モードより荒れる感じでした。使用カメラは、QHY5LII-M、安価なFL50mmのCCTVレンズでした。)

 

Img_4107

極軸体の裏面

こんな感じ。

Img_4039

2本の黒いネジは、赤緯体を極軸体に固定するもの。

その横の小さい黒い穴は、ウォームのホイールとの隙間を調整するネジ。両軸ともある程度調整可能です。

AZ-GTiのようなウォームを圧着するバネは存在しません。

2月15日訂正:調整ネジの中にバネが組み込まれているのを発見しました。これにより、ウォームがウォームホイールに圧着できる構造になっています。

(下の写真の、頭の球が内部のバネで外へ向かって押されている構造。)

 

Iimg_4116_neji

 

 

雲台と三脚は、丸い黒い板のあたりが異なりますがを除き、スカイメモS型雲台とほぼ共通です。スペーサーの厚みが不足で、隙間があります。そのうち、改善したいです。

(後日、雲台の高度調整部分のスペーサを自作交換しました。

合成樹脂製0.5ミリ厚及び0.2ミリくらいの厚各1枚に見えました。

小生の場合、アルミ1ミリ厚1枚及び0.2ミリ厚1枚のものを作り交換しました。)

(過去記事 スカイメモS型雲台全金属化、 

三脚スペーサ

 

 

ウェイト及び軸

ウェイトは結構質量(2.2KG)があり、自分には十分です。

また、軸には、ウェイトの抜け止めがあり、安全に配慮されています。

Img_4081

 

 

ファーストライト(Pモーション)

2月7日2AMころ、ベランダでピリオディック・モーションを撮影してみました。

64分間の軌跡です。30秒露光で30秒インターバル。

FC65直焦点、マルチフラットナー1.04使用。ニコンD7100。

同一機材でのトラペジウムを張り付けておきます。

ひとつだけめちゃ明るい星は、スピカです。

振幅は、安定してプラスマイナス30秒くらいでしょうか。なかなか良いと思いました。

周期は、4分のようです。歯数が122枚となっていますが、それとは異なる周期です。理由は不明です。

Avant_periodic_64min_s

 

 

印象

クランプ系

クランプの機構がとても良い。

クランプを締めると、剛性が極めて向上する。AZ-GTiよりも高剛性で、優れている。

極軸クランプをきつく締めると、剛性は高まるが、副作用として、軸回転が渋くなる。モーターのトルクが不足し、停止することがあった。

 

駆動系

ウォームホイールとウォーム間のバックラッシュはある。調節ネジで隙間を少なくできるが、抵抗が大きくなり、ついにはモーター回転が止まってしまうことが発生したので、小生は、今は緩めにしています。そのうちギアが馴染んで改善するかもしれません。

クラッチは、ザリザリしますが、固定力は十分です。

アップグレードキットを付けた状態では、手動でウォームを回すと、赤経軸は、ザリザリとかキーという音がして不快な場面がありましたが、価格とこのコンパクトさを評価すべきと思います。赤緯軸微動は、そこそこの感触。

3ボルト駆動で回転パワー不足は否めず、重量級の機材や重量バランスの悪い機材は不適当と思います。

電池寿命は、アルカリ乾電池の場合、一晩くらい。

ハーフピラーを同時購入した方が、衝突しにくく、良いです。

ST4モジュラー端子で、1軸オートガイドは問題なく作動しました。

 

写真耐性

なかなか素直なピリオディックモーションではないでしょうか。

極軸を合わせることができれば、広角レンズで短時間露出多枚数撮影であれば、ノータッチガイドでもそれなりに撮影できると思います。

1軸オートガイド可能で、極軸をちゃんと合わせられれば、そこそこ使えます。

 

家族特性

軽量です。下の写真の眼使用の組み合わせで、9.7キログラムです。そのうえ、高剛性。

AZ-EQ AVANTは、その名の通り、経緯台と赤道儀双方を考慮した融通の利く設計です。AZ-GTiは基本的に経緯台なのに対して、クランプや軸の構造が異なるようです。(分解してないですけど。)

家族で、小型鏡筒を軽快豪快に振り回して、自力で明るい天体を接眼レンズに導入できそうで、楽しいと思います。

アップグレードキットのクラッチを切れば、モーターを回しっぱなしにして、いろんな天体を巡れます。

AZ-GTiが、自動導入、両軸エンコーダ、オートガイド、カメラコントロール、更には、プレートソルビングへの拡張性といった、ほとんど何でもお試しできるのに対し、AVANTにはシンプルさという他のベクトルの良さがあります。

アップグレードキットと広角レンズで、そこそこ手軽に家族で星野や写真を試せると思います。

子供たちにとって、やがて、もっと高度な星や機械や物理の世界へのゲートウェイになりうるのではないでしょうか。

アップグレードキットも含め、価格相応の構造と思います。操作感が粗雑な面もあります。でも、いろいろ試して、感じて、壊して、そこから人は育つのではないでしょうか。

小生のような変態老人でも楽しめます。

 

Img_4069

 

 

 

追記:2月11日、プチ改造、星撮影しました。

100円ショップで分度器を買い、赤緯軸の角度がわかるようにしました。

分度器2つを合体させて軸穴あけたものを挟んだだけですが、滑りません。

Img_4089

 

赤経軸にマスキングテープで時角を張り付けました。

Img_4085

 

 

1軸オートガイド化

最初は、小生の2軸駆動AZ-GTi赤道儀モードと同じFL50㎜のガイド鏡でしたが、FC65では、30秒露出でも星が変な形になりました。

そこで、ガイド鏡筒を、50mmから130mmに替えました。その結果、赤経軸RMSは、約3秒から約1.5秒に劇的に改善しました。

極軸をPHD2のドリフトアライメントで良く調節すれば、30秒露出ならば、FC65で成功率8割くらいでした。

ただし、2時間ほど経過すると、極軸がズレて来るのか、どこか捻じれるのか、星像が許容できないほど流れるようになりました。

 

ガイド鏡装着状況

カメラ重量でボトムヘビーなので、対物レンズカバーにありあわせのものをウェイトとして張り付けてます。

Img_4093

 

オリオン座M42中心部を撮る

FC65で撮影。オーバーサンプリング処理した画像に、以前セレストロンC5で撮った部分も比較として切り張りしておきます。

露出時間等の条件は異なりますが、どちらも似たような解像だと思います。

色に違いがあります。FC65は、C5に比べて、星周辺に色が付きます。

Fc65_c5_hikaku

2020.2.11

FC65 FL500mm F8 マルチフラットナー1.04使用

nikonD7100無改造 iso200 露出30秒×64コマ(32分)

角コマ300%オーバーサンプリング後に加算平均

弱くウェーブレット処理入れてます。

自宅。月が明るいです。1等星しか見えません。

 

セレストロンC5切り張り部分

2019.11.21

FL1250mm F10

nikonD7100無改造 iso800 120秒1コマ

オーバーサンプリング処理無し

筑波山付近

 

オーバーサンプリング処理の効果比較

上段:上の写真のFC65オーバーサンプリング処理画像の部分拡大

下段:FC65 30秒露出1コマの拡大(1コマだけなので、かなり露出不足です)

Hikaku

オーバーサンプリング処理すると、滑らかにはなりますが、画像データが大きくなって、小生の機材やアプリでは処理に限界があり、トリミングせざるを得ない欠点があります。

 

(了)

 

 

今日も全力GTi:FC65でエスキモー星雲とM87JET

今回も引き続き、小天体をオーバーサンプリングで狙います。

 

NGC2392(エスキモー星雲)

47"*43" 視等級9.68 (Wikipedia)

かろうじて恒星の周りがリングみたいに見えます。

国立天文台のすばる望遠鏡のギャラリーと比較すると、FC65頑張ってると思います。

Eskimo_trm_20200213180201

2020.1.31  タカハシFC65(FL500mm,F8)+マルチフラットナー1.04、架台AZ-GTi赤道儀モード

PHD2オートガイド(QHY5L2M、ガイド鏡FL50mm)

nikon D7100 iso800 20秒×24コマ (8分)

YIMG,nikon Carture NX2等使用。

300%オーバーサンプリングにウェーブレット処理を少し適用しています。

 

ちなみに、元画像1コマ(APSC)はこんな感じです。とても小さいです。

Eskimo_full

 

 

M87のJET

 

画像処理の過程が見えるように超拡大したものです。

写真の幅は、すべて約100秒。

上段は、中段画像にウェーブレット処理や各種調整して仕上げたもの。ジェットがぼやっと左上に伸びています。

中段は、RAWデータを300%オーバーサンプリングし、明度等調整、48bitのtifデータ48コマを加算平均したもの。滑らかになっています。

ウェーブレット処理のためには、いかに滑らかな画を作れるかがノイズを抑えるポイントです。

シグマクリップにせよ、ウェーブレット処理にせよ、高い周波数成分や僅かな輝度傾斜を強調するものと思います。

我々はある程度の天体の物理等の知見を持ちつつ強調処理します。気分だけはブラックホールを描画したイベント・ホライズン・テレスコープチームの画像解析チームになったみたい。(国立天文台のニュース)

それにしても、ELTは、地球の自転は利用するものの、8個の画素(アンテナ基地数)で、既存の画像処理ライブラリやチーム独自のアルゴリズムを駆使して、ノイズの中からあれだけの画像を得ています。

一天文ファンの小生は、センス・オブ・ワンダーを全開で感じてました。

強烈な画像処理に疑問を呈する向きもあるようですが、星間ガスの強いあぶり出し等を知った小生は、素直に、多分あれは、ブラックホールは、ほんとにあんな感じだと評価しています。

ジェットを斜めこちらに向けて?吹くブラックホールの姿が正しく描画されているように感じます。


下段は、RAW画像の1コマ。拡大率1200%でギザギザが見えるようにしたもの。ギザギザ1ピクセル1.6秒角。D7100のピクセルピッチ3.9ミクロン。



Hikakum87_4412

2020.2.2タカハシFC65(FL500mm,F8)+マルチフラットナー1.04、架台AZ-GTi赤道儀モード

PHD2オートガイド(QHY5L2M、ガイド鏡FL50mm)

nikon D7100 iso800 60秒×48コマ (48分)

YIMG,nikon Carture NX2等使用。

 

 

 

より広い範囲(470秒×470秒)の画像です。

 

M87_48_wvlt_3sss

 

更に広角。1300秒×1300秒

M87_48_wvlt_3ss

 

 

昨年、ブログ開始時に載せた記事は、これ(M87JET)

処理方法は同じです。

昨年春撮影のは、わずか焦点距離180ミリでF4(有効径たったの45mm)に絞っており、デベソみたいに写ってるような感じです。

今年は、幾分進化したかな?

M87jet_nx2_ss_001

 

 

次回は、AZ-EQ AVANTを試します。

(了)

 

 

2020年1月23日 (木)

今日も全力GTi:(続)宇宙の目ん玉、大当たり:セレストロンC5直焦点

1.大当たり

深夜、東京湾方向へ向かう旅客機の右翼の赤色灯?が木星状星雲を横切りました。

これが宝くじだったら機材沼に投下し、業界に貢献していたに違いありません。

Dsc_2185_trm_135by135

2020年1月16日

SELESTRON C5  fl:1250㎜ F10 直焦点

nikon D7100無改造 中央部135×135ピクセルをトリミング

ISO:640  露出60秒 

AZ-GTi赤道儀モード 金属シムリング強化バージョン

PHD2オートガイド

 

同じコマの全景トリミング無し(APSC 6000×4000ピクセル)です。

白色灯のフラッシュも2か所あります。

Dsc_2185_cross_s

 

 

2.C5とFC65を比較(写真技量の進化遅く、すみません。)

(1枚撮って出しJPGと16枚合成をそれぞれ比較)

nikon D7100無改造

セレストロンC5は2020年1月15日、ISO640で撮影 

タカハシFC65(マルチフラットナー1.04使用)は2020年1月12日、ISO400で撮影

他は1.と同じ条件です。

画像の大きさ比は、焦点距離に比例させてます。

撮って出し画面では、3.75ミクロンピッチのピクセルが見えると思います。

16コマ合成画像は、双方とも、オーバーサンプリング後加算平均、更に弱くウェーブレット処理等をしています。

 

大気の揺らぎ、光学系の差、ガイドの振動、口径差、画像処理差などはあるでしょうが、

FC65が優れた解像力を示していると感じました。

Hikaku5

 

 

3.スケッチとカメラ内現像JPGとの比較

スケッチは、ダイアゴナルミラーを使用していますので、左右逆になっています。

セレストロンC5、AZ-GTi経緯台モード

小海町星フェスで購入したビクセンのアイピースLV10使用

Img_4022

 

比較:セレストロンC5、AZ-GTi赤道儀モード写真

2.の元画像のひとつの中心部2000×2000ピクセルをトリミング

Trmdsc_2124_2kby2k

 

次回は、AZ-GTiのウェイト軸などのプチ工作です。

(了)

 

 

 

2020年1月16日 (木)

今日も全力GTi:高橋製作所FC65 with FC/FS Multi Flattner×1.04

 

1.宇宙の目ん玉

NGC3242 木星状星雲 うみへび座

視直径40”×35”、明るい空に負けない輝度。

小口径ながら、解像に驚き。さすが、懐かしの高橋FC65。

Ngc3242hikaku

2020年1月11日午前零時ころ撮影(部分月食の月夜):自宅ベランダにて

 

右側写真:

鏡筒:高橋製作所FC65(65mm∮ F8)(シリアル番号から、1983年製と思われる)。

取って出し中央部をトリミング

フィルター不使用

ISO400  露出60秒、nikonD7100無改造

架台:AZ-GTi赤道儀モード(金属シムリング改造)

PHD2オートガイド

マルチフラットナー1.04使用

ピント合わせ:シュミットさんで昨年末購入したバーティノフマスク

 

左側写真:

右側と同条件60枚中から、良像16枚RAWデータを選択し怪しく加工

(約3倍にオーバーサンプリング後16bitTifへ→16枚分のデータを加算平均→軽くウェーブレット処理→さらに1.5倍くらいにオーバーサンプリング)

(使用ソフト:YIMG,Capture_NX2等)

 

 

元画像の1枚はこれ

(6000×4000を2400×1600にリサイズしてあります。画角は変えてません。)

中央にある青い点です。ものすごーく小っさいです。

Dsc_1838_s

 

今回は、AZ-GTiにFC65を載せました。周辺部の星像を、FCにも使えるマルチフラットナー1.04で改善してます。

架台には、三基光学さんの美しいアリガタで接続してバランスとってます。

なお、この鏡筒は、埼玉県の某used telescope店で、引き取っていただいた高橋65mm屈折赤道儀D型に入れ替わりで入手したものです。

「いつかはタカハシ」、大事に使いたいと思います。

 

Img_3956

 

Img_3940

 

 

2.AZ-GTi赤道儀モードのピリオディック・モーション

Gtiperiodic61min_trapesium_s

同夜のオリオン座M42付近です。

ウォームギア削りすぎちゃったバージョンのAZ-GTi、赤道儀モード、ノーガイド、

(露出30秒+インターバル3秒)×112枚(開始から終了まで約60分)

中央部の黒い正方形部分は、同一機材で撮影のトラペジウムを角度比較のために切り貼りしたもの。

ピリオディックモーションは、プラスマイナス30秒くらいでしょうか。

自分的には、自己研磨やりすぎでカタカタの隙間が空きましたが、振動波形は少し改善している印象です。

 

 

3.すばらしい。

タカハシ FC/FSマルチフラットナー1.04×

ピリオディックモーション検証の写真(30秒露光)は、星像の流れがほとんど無視できる水準だったので、連続16コマを加算平均、

少しだけ色調等調整すると、こんな雰囲気です。(何分、加工ノウハウが無いうえに、空が明るいです。)

マルチフラットナーの効果で、周辺も点像です。

M42_30sec_16exp_fc65_mf

 

フラットナーの効果比較

上が無し、下が使用したもの。切り出し位置は、上のオリオン座M42写真の左下隅付近。

Flattner

輝星の周りは最新機種に及ばないかもしれませんが、古い機材でも、とても効果がありました。

旧い鏡筒にも使えるフィールドフラットナーを企画したタカハシは良心的企業だと思います。

 

 

Jupneb_16_yimg_cnx2_r

 

(了)

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