金星食 2021.11.08
0.前日譚
「ねえ、明日ベランダの洗濯物、御昼くらいに片づけてもいいでしょうか?」
「なにすんのよ。」
「金星と月が重なるんです。とても珍しいんですよん!」
「ま、あまり怪しまれないようにしてね。言っても無駄でしょうけど。」
1.当日
月も金星も見えましぇーん。
2.なので、「ねんりきい」と全宇宙神に向かって唱えました。
念力の有効性は、前日にツイッターで某巨匠から
「念力大事ですよ。奇跡のように雲が切れたりしますからね。」
とご指導受けておりましたので、全エスパー能力で臨みました。
で、すばらしい。モーゼが杖を一振りすると大気がまっぷたつに割れたが如く、晴れたのでありました。
WideBinoで索敵しました。
細い薄い月の左に、まばゆい金星。AZ-GTiに導入、金星で1starアラインメントをとりました 。
双眼鏡で見る。デジイチで撮る。
3.晴れ間が消えませんように。
iPad画面の赤いCMOSカメラの左下に金星が写っています。
4.格闘
もう間もなく第一接触・・・
ああつ! なんということだろう。写野から金星が急速にずれていくではありませんか。
懸命にもう一度戻します。
しかし、またずれ始めました。
そうだ、これは1スターアラインメントしたにも関わらず、そのあとにGOTOして誤差修正することを繰り返したからではなかろうか。これまでも生じていた現象。何か位置計算アルゴリズム上の不具合を生じるのではないだろうか。
なので。GOTOしてOKを3回くらい繰り返して、そのあと、微動させて写野に導入し、あとはOKせずにいじらないことにした。
そうこうしているうちに風でぷるぷる震える金星が小さくなってきて、見えなくなりました。なんだ? あっそうだ、第1接触だったんだ。なんと静かな。音も無く。動画を写すのを失念しました。
5. 第3第4接触
SKySafariで現れる時刻と位置は推測し、待ち構えました。
驚くほど安価にアマゾンで購入したスティックPCですが、空き容量が20GBしかなく、Serで記録すると、あっという間にいっぱいになります。MicroSDカードは書き込みが遅く、エラーを生じるのを経験していたので使いません。妥協として、1504×1504ピクセルで4flps、約5分間撮影としました。
荘厳な灯りが月縁から現れました。やがて離れていきます。揺れています。無音です。動いています。距離感です。遠近法です。浮遊感です。リアル宇宙です。大変に幸運でした。
再びガイドがずれ始めました。修正を入れますが、風も強くなり、乱れます。予定時刻になり、撮影停止しました。
双眼鏡(防振12倍)で食い入るように、口をあんぐり開け、よだれを垂らしながらワタクシ爺変態はベランダに佇んでいたのでした。パトカー来ませんように。夜の公園ではたまにお会いします。私は品行方正です(何が)。
6.動画にしました。
SkyWatcher MAK127(FL1500mm)直焦点, AZ-GTi経緯台モード, ZWO ASI533MCpro, SVBony UV/IR cut filter
SharpCap, PIPP等, 約15倍速
(PIPPで、金星をセンターにして、揺れる動画を安定させていますが、そのために、金星が現れる前の部分が動画に取り込めません。ノウハウがありません。悪しからず)
7.リアルタイムiPad画面。奥さんにも見てもらいました。
8.静止画 2021.11.08 午後2:40
動画のコマの中から歪の少ない2コマを選び、加算平均後ガンマ、トーンカーブ等を調整したものです。
9.デジイチ(NIKON D7100 APSC, AF-S NIKKOR 70-300ズーム300mm)
(了)
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