逆色ノイズ加算処理の試み:レス改造SV305:レンズレス・シュミットNEWTONYくん
謝辞:
自由度が高く素晴らしいフリーソフトであるYIMGとその作者様に感謝いたします。まだ使いこなせておりませんが、おかげさまで、いろいろな試みができ、画像処理の理解が小生の如きであっても少しずつ進んでいるように思います。
注:本記事は、好奇心によりやってみた結果の備忘録と、小生のような天文初心者の方々への些細な情報提供です。
こういう方法は、みなさん既にご存知のことかも知れません。非常識かもしれません。小生の誤りもあるかもしれません。
もしも試される場合は、データや機材については自己責任です。写真の元データは、必ずバックアップの上、行ってください。
YIMGの作者様にも迷惑をかけてはいけません。
0.ノイズ軽減後のM31
フィルターレス改造SV305+レンズレス・シュミット・ニュートン化NEWTONYくん
絞り口径41mm、FL200mm、
32秒露光、17コマスタックを8セット、総計約80分の露光です。自宅ベランダ。1等星しか見えない。
いつもの定位置で、極軸合わせ無し。AZ-GTi赤道儀モード、ASIAIRproでオートガイド。sharpcap使用。ダーク有り。
小生の環境では画像にノイズが目立つので、一匹変態の小生は、なんとなくやってみました。
結果的にかなり軽減できました。
1.ノイズ有り元画像
YIMG(64ビット版)で加算平均及びトーンカーブ調整してます。
なぜか、星に色が無いなー
拡大すると、でかい色付きノイズ多数。
対処方針:逆色ノイズ加算
うーん、ノイズの色が、RGBではなく、RGBの補色に近いかも知れない。
また、ノイズのところは、明度が周囲より低いようです。
イメージセンサー上のRGBクールピクセルが、色空間変換を経て周囲数画素の範囲に影響を与えている感じがします。
つまり、欠けたピクセル色があるために暗くなって補色が出ているのではないでしょうか。
欠けている色だけ抽出できれば、それを加算して埋め合わせればよさそうです。
つまり、周囲平均を元に、いわば、逆色ノイズを作って加算。アナログう!
個別のピクセル欠陥を元から演算補正するような、FITSを根源から操作するような、そんな技量は小生には到底ありません。
コンセプト:逆色ノイズを作って加算し、打ち消す。
2.高周波成分を除いた画
まず、周波数成分の高いノイズはほぼ無いけど、元画像にかなり近いというものを作ります。
YIMGの、本来はフラット調整用と思われる、「バックグランド補正」に着目しました。
ます、「バックグランドデータ作成」機能を使います。
周囲4辺付近は、演算のため、欠けます。パラメータはいくつか試行錯誤しました。
3.欠けた色の画像(逆色ノイズ画像)を作る
次に、2.の画像において、「バックグランド補正(画像データ)」を選択し、1.の元画像をシフト量ゼロで減算します。
すると、RGBの輝点の絵になります。ノイズと逆の色(補色?)になってるようです。うまく行きそうです。
(小生は、さらにこれを少しトーンカーブで強めに調整し、より良好な結果にしています。)
4.元画像と逆色ノイズ画像を加算する
「画像合成」機能を用いて、1.と3.の画像を加算します。比率は、どちらも100%にすることが多いです。
自動位置合わせしないように、「比較範囲」はゼロにしました。
結果は、目的のノイズがかなり除去されました。小生には、ほぼ十分です。
小生の不徳の致すところで、光軸等のずれで明るさ不均一なので、capture NX2で手動でちょっと調整し、更に、鏡像になってるので裏返すと、冒頭の画像になります。
5.おまけ:
同様の手法、同一光学系・機材・光害の空での作例。
レンズレス・シュミットは色収差、コマ収差が無い。
球面収差はある。
M27です。総露光約60分。
以下の3枚は、星雲部で消えなかった目障りなノイズを各2から3か所のみ、最低限のレタッチしました。
鑑賞写真なので、ご容赦願います。
M8干潟星雲です。この写真は、レス改造機にサイトロンさんのQBPフィルターを装着しています。
総露光約40分。極軸精度が低く、努力しましたが、縞状のノイズがあり、小生には、解決できていません。
M20です。これもQBPフィルター装着です。
総露光約20分。
ここまで映るとは思いませんでした。
星像が小さく、迫力を感じます。
(了)
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