星雲試写:レンズレス・シュミット化NEWTONYくん、SV305レス改造仕様
軽量お気楽
レンズレス・シュミット化NEWTONYくん、フィルターレス改造SV305、AZ-GTiとASIAIRproをEQMODケーブル接続、iPADでASIARproに5Ghz高速接続。
1.使用機材
架台は、AZ-GTi赤道儀モード、超剛金改造メタりっこちゃんです。
超軽量(三脚、鏡筒含め、写真の全部で7.1㎏)です。ウェイト軸だけでバランスとれてます。
ASIAIRproとAZ-GTi間は、自作USBシリアル変換ケーブルでダイレクト接続です。(EQMODケーブル)
写真は、ケーブル1号機。今は基盤がプラケース入りの2号機を使用中です。
これにより、ASIAIRproとAZ-GTi間の2.4GHz接続の呪縛を回避できました。すなわち、操作端末(iPAD)と高速5Ghzでの接続が選択できるので快速にできます。
EQMODケーブルは、英国から直輸入もしてみました。当然正常動作しました。他方、ネットでAZ-GTiのマニュアルやCLOUDY NIGHTSの記事等でピンアサインを調べて、より安価に自作もできるようだったので、それもやってみました。いろんなパーツや製品がネットにはあり、ポチれます。選択肢の広い、良い時代になったものです。
撮影用のSV305は、別のノートPCでSHARPCAPproで操作します。
SV305は、光学ウィンドウ除去改造済。シベットさんが素晴らしい記事をお書きになっています。
空は明るく、木星と土星くらいしか見えないのですが、完全フィルターレスで何が写るのか、試写しました。
2.第一夜:M31
(8秒露光を5分間くらいスタックしたものを4セット、総合計約20分間分を加算平均後加工しています。darkあり。YIMG,ニコンcaptureNX2。使用ソフトは、以下すべて同じ。)
わかってます。でも、小生は、写っただけで嬉しいのです。
超素晴らしい画像には、いつ到達できるものやら・・・・小生にはあまり向かないようです。
むしろ、変化、それも位置を微分した速度とかあるいはさらに微分した加速度、さらに加加速度といった刹那的なそよ風が心地良いようです。
でも、へんだなー。片方が明るい。街灯や車で明るい影響か?
ノイズ激しいなあ。CMOSカメラは奥が深そうです。
3.迷光・漏光対策
ファインシャットにより、プリングルズの延長筒内面を、この上なくブラックにしました。赤外線にも有効らしいです。
接眼部の反対側の鏡筒内面にも張り付けました。
よし、これでOK。
のはずが、筒先からよーく覗き込むと、何やら僅かの青緑色の漏れ入る光が・・・・
で、追加の対処です。
アルミ箔粘着テープで、側面開口扉の僅かの隙間及び、接眼部付近のプラスチック肉薄部を透過する光をシャットアウトしました。
また、延長筒の接続部も同様にアルミ箔粘着テープで遮光しました。
メンテナンス性は落ちましたが、これで漏光は防げます。
また、簡易ファインダーとして、奥さんから貰った紙筒を輪ゴム等で固定しました。
天体の導入時には、光軸を合わせたASI120-MMSでプレートソルビングし、フル自動でSV305の小さな撮像素子上に導入されます。
2回導入動作させると、ほぼど真ん中です。感激物です。
4.リベンジの第2夜・第3夜
①M31:よし!
(32秒露光を5分間くらいスタックしたものを4セット、総合計約20分間分を加算平均後加工しています。darkあり。)
いろんなノイズが課題です。
②らせん星雲
存在がわかる。千葉や東京方向、低空の明るい空、絞り口径41mmでも映るんだあ!
ASIAIRproのプレートソルビング機能が無ければ、導入は絶対無理です。素晴らしい機能。
そもそも、ベランダに目測で設置してるので、極軸がいい加減なのです。
スケアリングや絞りの位置等がずれてるのがわかりますなあ。
(32秒露光を5分間くらいスタックしたものを2セット、総合計10分間分を加算平均後加工しています。darkあり。)
③プレアデス:青い散光星雲は写りませんでした。
(32秒露光を5分間分くらいスタックしたものを4セット、総合計約20分間分を加算平均後加工しています。darkあり。)
④オリオン座M42:明け方にはもう見える
フィルターレスの影響でしょう。通常青い部分も、桃色から白色です。
(8秒露光を5分間くらいスタックしたものを3セット、2秒露光を5分間くらいスタックしたものを2セット、総合計25分間分を加算平均後加工しています。darkあり。)
⑤亜鈴状星雲
一回の露光が32秒ならば自動スタック効くのですが、それ以上にするとignoreばかりで、自動スタックされませんでした。
なので、ASIAIRproによるオートガイドの精度に任せて、64秒露出11回を単純にスタック、延べ704秒間露出の1枚画としてみました。
darkあり。
ガイドの精度は、RMS2秒角程度。荷重が極めて軽いためか、いつもより高精度でした。
上が元画像です。赤青緑の輝点ノイズがひどいです。これをごまかして、なんとかしたのが下の画像。
ノイズ除去で星が少し太った。
CMOSカメラの各種パラメータは、試行錯誤中です。むずかしいです。
淡い天体は写りにくい感触もありますが、小生の技量不足や空の光害もあり、わかりません。
ディザリングも、機材精度のため果たして可能かどうか不明ですが、試したい気も少ししてきました。
真上は良く晴れて2等星まで見えました。
SV305でこれだけ楽しめるのですから、小生の前にCMOSカメラ沼が広がる危険地帯を感じました。
なお、広告では、SV305は、pro仕様(冷却ではない。ASCOM対応。)が出るらしいです。PHD2に使えて便利そう。日進月歩。
(了)
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コメント
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おおー。
素晴らしいチャレンジですね!
球面主鏡である事を逆に長所として活かすとは。発想の転換、お見事です♪
投稿: あぷらなーと | 2020年8月22日 (土) 17時21分
(*´▽`*)
あぷらなーとさまから小生の如きにコメントいただきまして、びっくりです。
ありがとうございます。
球面収差は残っても、全画面比較的均質で、色収差もない、不思議な経験で、楽しいです。
次はこれで何をトライしましょうか・・・
投稿: M87JET | 2020年8月22日 (土) 20時06分